4月5日(水)メディア日記

 朝日新聞社は5日朝刊で、朝夕刊セット版の月ぎめ購読料を5月1日から500円値上げして4900円にすると発表した。新聞用紙など原材料価格の高騰が理由で、値上げは令和3年7月以来、1年10か月ぶりとなる。1部売りは朝刊が20円値上げして180円に、夕刊は10円値上げして70円とする。同紙は5日朝刊で「報道の質を維持し、新聞を安定発行するため、ご負担をお願いせざるをえない」と理解を求めた。前回の値上げから2年も経っていないのは異例だ。朝日は東海3県で夕刊の発行をやめることも発表。消息筋の話では、毎日新聞、産経新聞も近く値上げに踏み切る見通し。
 
 一方、読売新聞は、3月25日の朝刊で、「読売新聞は2019年に現在の購読料を決めたが、4月以降も購読料を据え置く」と宣言した。

 朝日の経営内情はかなり深刻のようだ。大手出版社OBの友人は、「最近の朝日の出版物の広告を見ると、何でこんな本がこんなに大きな広告スペースをとるのだといぶかっている。多分、広告料のダンピングが相当あるのだろう」と語っていた
(参考) 日本ABC協会がまとめた22年下期(7~12月)の平均販売部数
読売新聞663万6073部、朝日新聞397万4942部、毎日新聞185万9147部、
日経新聞168万0610部 産経新聞99万9883部。
 
 5日の朝日新聞のコラム「多事奏論」の高橋純子の「『捏造』と『敬意』言葉、政治家は磨いているのか」を読んで、「こういう痛快な記事を書ける記者がいるのは新聞社の財産だ。不況の朝日新聞、めげずに頑張れ!」という気持ちを新たにした。高橋純子の一文はいつ読んでも溜飲がさがる。コラムの出だしはこうだ。
「シンガー・ソングライターの竹内まりやは独特な鼻濁音で都会的なニュアンスを歌にのせると評されるが、高市早苗・経済安全保障担当相は鼻で笑う=軽蔑のニュアンスを答弁に自在にのせられるのがすごい。 「けっこうですよ」   放送法の行政文書をめぐり、立憲民主党の小西洋之氏に「文書が捏造でなかったら大臣も議員も辞めるということでいいか」と問われての答弁は、猛々(たけだけ)しく、太々(ふてぶて)しくて。キングオブ猛々しく太々たる麻生太郎・自民党副総裁の背中はもうすぐそこだ」(後略 残り約1400字)
 
 5日午前のTBSニュースは「独自」として、「ガーシー前議員が発信を続けているSNSについて警視庁が『ツイキャス』や『TikTok(ティックトック)』の運営会社に対しガーシー容疑者のアカウントの凍結を要請していたことがわかった」と報じた。ガーシーにはすでに逮捕状がでているが、ガーシーがSNSであらたに脅迫しないための措置。ネットでは「警察はそこまでやるのか」と驚きの声が上がった。
パスポートの返納期限が4月13日に迫るなか、包囲網が強化され、ガーシーは四面楚歌だ。
 
 産経新聞は、「参院憲法審査会で野党筆頭幹事に就いた杉尾秀哉参院議員が5日、前任筆頭幹事の小西洋之氏の「サル」発言について、憲法審の場で撤回や謝罪を行う必要はないとの認識を示した」と批判的に報じた。一方、読売新聞は5日の衆院憲法審査会について、「中曽根弘文会長は審査会の冒頭、小西氏に苦言を呈し、反省を促した。日本維新の会の音喜多政調会長も「謝罪、撤回を強く期待する」と迫り、自民党の松川るいも「断固抗議する」と述べた」と報じた。
 

 こうした小西批判に対して、ニュースサイト「LITERA」は、「小西洋之のサル発言より問題なのは、NHKとフジテレビ、産経新聞の偏向報道だ! 高市早苗と放送法問題を批判せず追及者の小西ばかりを攻撃している」。また「日刊ゲンダイ」は、「報道機関の言論の自由、メディアを守るために、総務官僚や元総務官僚の小西が問題提起したわけで、本来は高市氏や政府対応に批判の声を強く上げるのは報道機関の役割のはず。それなのに逆にメディア側が小西氏を叩きまくっているのだからあべこべだ」とメディアを批判した。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?