2022年の出来事、政治トピックを振り返る
NPO法人メディアージではこの年末に、Youtube Live「まつりごと〜政治を身近にするインターネット番組」と、Zoomでの「政治について気軽に聞ける、話せるオンラインイベント コーヒー・ハウス」を2日に渡り開催しました。
いずれも、2022年を振り返るというテーマで開催し、「まつりごと」ではメディアージの政治に関する情報発信と対話の場づくりのプロジェクト【ポリスク political square】のメンバーが話し合い、「コーヒー・ハウス」では集まった10数名の参加者全員で今年を振り返りました。
今回は、その中で出てきた話題などを、備忘録を兼ねて断片的にではありますが紹介していきたいと思います。
ぜひこの記事を読んでいただいた皆さんにとっても、2022年を振り返るきっかけとなれば幸いです。
参加者の皆さんが挙げた、今年一番印象に残ったこと
○安倍さんの襲撃事件とその後の日本の変化
旧統一教会の問題がクローズアップされる一方、犯人がダークヒーローとして祭り上げられる現状へ疑問を感じる声も。
結果的に苦しむ人達の現状が明るみになったのは良かった。
五輪汚職の逮捕者と安倍さんの裏約束が明るみになったり、法で弱者を守れなかったという側面から、日本は法治国家ではないのか? という指摘も。
宮台真司さんの襲撃とも無関係とは思えない。
模倣犯や、暴力に訴えようとする人が今後も現れるのだろうか、と不安視。
暴力で社会を変えられるという風潮にはなってはならない。
一方で、犯人が置かれた背景を放置するような社会であってもならない。
○ロシアによるウクライナ侵攻
まさかここまで長引くとは思わなかった。
台湾有事などへの飛び火はありうるのか。心配という声と、ロシアと中国は違うという見方も。
自分の子供たちが戦争に巻き込まれる可能性がゼロじゃないんだ、ということ。
○相次ぐ物価高と生活苦
収入は増えない。
今まではコロナだから仕方ないと我慢していたことも、それが元に戻る前に戦争、インフレと混乱が続きもう生きるのに精一杯。
来年も電気代の値上げなど心配な要素ばかり。
○宮城県川崎町への風力発電建設への反対運動と断念
いわゆるNIMBY問題。
そもそも電力会社のプロセスが杜撰で、地域住民とのコミュニケーションも取れていなかった。それが反対運動の結果露呈しただけ。
一部の間違った情報に基づく反対運動は是か非か。
なぜ関西電力? 地方への負担押し付けと、それに見合った利益がない実態。
火力も原子力も風力も反対なら、電気はどこでどう生み出すのかということも考えなければならない。
○イギリスの保守党政権の混乱と、アメリカ予備選挙における共和党の失速
ボリス・ジョンソン元首相の後に首相になった方の名前がすぐに出てこない(ぐらい短期間で交代している)。
トランプ陣営の主張した選挙不正などの陰謀論めいたものが影響力を失ってきた
2010年代後半のナショナリズム化の流れが変わってきたのではないか。
○梨泰院の事故
忘れた頃に繰り返される悲惨な事故。対岸の火事にしてはならない。
津波のような災害とはまた異なる何か。
○大学共通一次での刺傷事件と、カンニング事件
受験への過度なプレッシャー。トラウマになったという参加者の皆さんのの実感、体験談も多数。
東京では、誰かが刃物を振り回す事件は結構あってみんな感覚が麻痺してる。
カンニングの手口はこれまでになく悪質だった。
○3月に東北で大きな地震
新幹線がストップすると東北は弱いと改めて実感。
2022年全体を通して
様々なレイヤーでの『分断』が顕になった
来年への明るい展望が持てない
という、非常にネガティブなワードが飛び交う年末になってしまいました。
敢えて「今年よかった、前進したと思える出来事」を挙げてください
国会の議員立法で、女性支援新法が成立した。
(困難な問題を抱える女性への支援に関する法律)JR等が相次いで赤字路線の情報を公開し、公共交通への議論が深まり始めた。
(仙台駅前の)青葉通の社会実験(車線規制)がよかった。反対の声も大きいだろうがぜひ止めないで欲しい。
教員免許の更新制度がなくなった。
「良かった」ではないが、衆議院宮城選挙区の区割りが変わったので自身の選挙区の候補者が気になる。
(宮城県選挙区)桜井充さんの自民党からの出馬が個人的には嬉しかった。
石巻市議選など地方選挙でこれまでの傾向と異なる結果が出始めた?
政党への評価は別として、NHK党や参政党など既存政党とまったく異なるアプローチの党が出てきたこと。
各自治体が、国の政策の至らない部分(子育て・若者支援など)について独自の善政競争をするようになった。
ネットワークビジネスの大手がようやく行政処分された。
これからの社会について思うこと
SDGsのキーワード「誰一人取り残さない」を社会全体で実現していかないと、悲しい出来事や「無敵の人」の事件は繰り返される
日本国憲法に「健康で文化的な最低限度の生活」とあるが、日本人が考える「最低限度」のレベルがあまりに低すぎる
「幸福追求権」はどこにいったのか?
年末のテレビでコメディアンによる発言「新しい戦前」「(日本のシルバー人材センターを指して)ノルウェーの刑務所みたい」などが風刺するもの。
「自己責任論」とセットで考えたい「自己選択」ができない(cannot)人たちの存在
「共助」の重要性、それをどのようにすべての人に知らせるか
ぜひ来年も、多くの方とこういった話を気兼ねなく話せるような機会を作っていきたいと考えています。
今年も多くの方に支えられ、多くの方に私達の活動に参加していただきました。
2023年もどうぞよろしくお願いいたします!
NPO法人メディアージの、政治・選挙に関する情報発信や、対話の場作りのためのサポートを何卒よろしくお願いいたします!