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政治を気軽に語るオンラインカフェ「コーヒー・ハウス」2021年5月13日の話題まとめ

NPO法人メディアージは、普段なかなか周りの人と話す機会がない政治や選挙の話題について、知識のある人もない人も気軽に話し合える場作りに取り組んでいます。

社会情勢を考慮しオンラインで定期開催している「コーヒー・ハウス」で、どんな話題や意見、疑問などが出たかを、このnoteにまとめていくことにしました。

あくまでメモ程度のものなので、会話の流れを詳細にまとめた記録、正確な発言の記録ではありませんが、今このタイミングでこんなことを話し合っているんだな、という備忘録として、ご覧ください。

今回のテーマ:2021年今年の選挙(仙台を中心に)

今年は、秋までに実施されることが確定している衆議院議員総選挙や、8月1日投開票予定の仙台市長選挙、秋開催予定の宮城県知事選挙など、メディアージが所在している仙台市としては選挙イヤーの年と言えます。
ということで、今回は「2021年の選挙」をテーマに話し合いました。

(話題)選挙についての素朴な疑問

最初に、いわゆる「選挙」全般について、普段不思議に思っていることや考えていることなどを、初めてコーヒー・ハウスに参加する方や、若い参加者を中心に伺いました。

・参加者の疑問:若者の人口が減っているとか投票率が低いと言われているが、若者の声を聞くというのであれば若者の投票一人2票ぐらいにするなどの差をつけることはできないのか?
→憲法でも「すべて国民は、法の下に平等」と定められていることから、一人が持つ票に格差をつけることは認められていない。
→とはいえ、現実的には投票方式などによって地域的な「一票の格差」が起きており毎回裁判にもなっている。

・若者への選挙啓発についての感想(20代参加者の意見)
→選挙にいくと、若い人はVIP待遇のような扱いを受けている感じがする。
→しかし実際は若者が知りたくなるような情報、広報が不足している。興味を持つキッカケがない人が多いのでは。
→若者へ投票を呼びかけるポスターの制作に関わったが、そもそも見る機会がないのではと思う。
→政治や社会のことを話し合える機会、話していい空気の場所が少ない。政治が若者にとって身近に感じられない。

(話題)仙台市長選について

続いて、今年8月1日投開票が予定されている、仙台市長選挙について思うことなどを話し合いました。前回2017年の仙台市長選は新人4候補が出馬し、当時衆議院議員を辞職して選挙に臨んだ野党推薦の郡和子氏が当選しました。

・話題提供:次の選挙に向けて、現職の市長を評価するためのポイントは?(池さんの解説)
(1) 前回の選挙のときに掲げた公約を、どの程度達成し、どう実施してきたか
(2) 任期中に起きた、様々な事態や課題についての対応
(3) 次の4年間に何をしたいか、という訴え

前回市長選時の公約批評記事はこちら

→市長が何をやっていたかを逐一把握するのはすごく大変。ある程度はマスメディア(新聞やテレビ、ネットメディア?)がまとめてもらわないと、全部は理解できない。

・話題提供:一方で、新人候補はどんなところを評価すればいいのか
(1) 現状の市政(郡市長)に対しどのような問題提起をし、どう解決するかという提案があるか、その内容が大事
(2) その人がどういう分野でどのような経験・実績を積んできてきたか。政治的な経験に限らないが、これからの仙台市に活かせるものかどうか

首長選挙は、よほどの失政やスキャンダルがない限り現職の候補者が優勢と考えられる中、そもそも有力な対抗馬が現れるのか、最悪無投票になって市民が市政を振り返る機会すら失われてしまうのではないか、という危機感もありました。

・話題提供:次の市長選に出馬を検討している方がいる
河北新報の報道(仙台市議の菊地崇良氏)
→出馬の意思を固めた、とあるが、立候補とは何が違うのか?
→実際に候補者となるのは、あくまで選挙の告示日以降に届け出を出した人だけ
→選挙戦の前に事実上の候補者として報道がされることがあるが、あれは本人の意思や記者会見などを通じて出馬する見込みが高い人たちのこと
→今回の場合、菊地氏が所属している自民党がまだ公認していないなどの事情で、確実に出馬するかわからない状態として扱われている
→さらに、現職の郡市長も現(5月12日)時点では次の選挙に出ることを表明していない。

・話題:郡市長への印象
→35人学級やいじめ対策、ネウボラ(子育て支援)の充実などに取り組んだとの評価。一方いじめ問題解決のための対応に批判的な声もあった。
→児童館のボランティアをやっていて、もともと教育に関心のある市長という良い印象があったが、昨年緊急事態宣言が出たときに前日の深夜に急遽休校が決まるなどのバタバタがあって悪い印象が残っている。
→休校決定は国の判断が急に降りてきたところもあって、全て市長の責任とは言えず割り引いて見たほうがいいのではないか? 保健医療行政は、市よりも県の責任が大きい。
→市長としてどんなことをしてきたのか、印象が薄い。情報発信力の弱さ。反面、慎重・謙虚とも言える。
→元アナウンサーならもっと発信力があってほしい。
→郡市長は野党出身だが、仙台市議会は自民党・公明党の会派が多数をしめているので、融和策を取らなければならず舵取りが難しいと聞いた。それがいいことなのか、もっとバチバチやりあうべきなのか、評価が難しい。
→「目立った失点材料がないのに、この大変な状況で他の人を選ぶ(市長を変える)理由がない」という意見も。
→都市構想についてあまり語れていない人という印象がある。

・話題:次の仙台市長に期待すること
→もうちょっと、市長として何をやっているのかわかりやすくしてほしい。
→「SIM熊本」のように、行政をわかりやすく理解する取り組みをしてほしい。
→「スーパーシティ構想」はやめてほしい。東北大学はハードに強いがソフトに弱い。市民の生活を理解していない構想に違和感(卒業生の意見)
→「コロナ後の仙台」を語ってほしい。あまり先のことを公約に掲げると今は批判されてしまうかもしれないが、それに負けずに将来のことを語ってほしい。たとえば福岡市は現時点で感染を抑えられていないが、それでも市長が「全国初の『感染症対応シティ』になる」と構想を掲げている。
→政治家は政策の話はするが、人間がどうなるべき、どういうまちなら幸せかという話をできていない。
→仙台市民は意外と気さくなので、接しやすい街、気軽にまちの話ができる場所をつくってもらえたら盛り上がりそう

・その他、今日のコーヒー・ハウスで言い逃したこと、聞きそびれたこと、感想など
→観光業勤務なので、インバウンド需要がなくなり国内移動も制限される中、秋保や作並などをどうするのか、次の市長には未来のビジョンを語ってほしい。郡市長は秋保出身らしいのでちゃんと語ってほしい。
→飲食業や観光系はもちろん、それ以外の商業も含めて「外に出よう」と言いにくい中、どう復活させていくかを語ってほしい。空き家・空きテナントも増えている。
→選挙について、みんなもっと楽しんで見てもらえるようになったらいいなと思っている。一つの人間物語であり、人の歴史、想いがつまっている。そういう見方ができる情報発信をしたい。
→選挙という行事をお祭りのように楽しみたい。
→選挙のときにコロナ後のことを考えるというのは良いと思った。ブラジルでも来年選挙があるが、これまでの失策を問いただすような選挙になりそう(ブラジル在住者の意見)
→お母さん同士のつながりとか、そういうところでは政治の話はまだまだタブー視されていて、話題を出したりこういう場に誘おうとするだけで「そういうこと考えている人なんだ」と思われそうで怖い。
→「政治をわかりやすくすべき」という考え方も最近どうかな、と思うようになってきた。ハードルが高いから、わかりにくいから見なくて良いのか? 自分たちで解決できることは解決し、政治的な解決が必要なことはしっかり政治家に要求するという、そういう姿勢を持たなければならない。
→ベガルタ仙台が今年おそらくJ2に降格してしまう。イーグルスや89nersと比べてもベガルタにはそこそこ税金が投入されていると思うが、J2になったらそれも減ってしまうのか。サッカーチームがなくなってしまいそうで不安。
→仙台という都市はなんだかんだでまだ余裕があって、もっと余裕がない自治体はたくさんある。不満があることはちゃんとぶつけて改善していったほうがよいが、市民の声をちゃんと声として届けることができているのか。
→今、市町村(基礎自治体)から国や都道府県に対しても相当不満が溜まっているのではないか。何でもかんでも一緒くたに政治家が悪い、役所が悪いと言って終わりではなく、行政の役割分担も理解できるようになると良い。

(終わりに)

今回の「コーヒー・ハウス」は、結果的に仙台市長選の話で盛り上がってほとんどの時間を使ってしまいました。仙台市外や宮城県外、あるいは国外から参加してくださっている方もいるので、今回のように地域色の強いテーマは珍しいのですが、たまたま仙台に縁のある(住んだことがある)参加者がほとんどだったこともあり盛り上がりました。

今後の「コーヒー・ハウス」についても、今回のようにまとめてログを残していきたいと考えています。
ぜひ皆様も気軽にイベントにご参加ください。内容に関する質問や感想も歓迎です。
次回のまとめはこちら

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