仕事柄、いわゆる達人と言われているタイプの外科医と何度か一緒に働く事があった。
この手の人達の凄さは一見するとわかりにくい。
別に魔法のように派手な演出があるわけでもないし、アッと驚くような超絶技巧をするわけでもない。
ただ一つだけ、ハッキリと異なる部分があった。
彼らは、普通の人なら面倒くさくて嫌がるような事を、常に手を抜かずにキチンとやり遂げるのだ。
以前はあの完璧主義的な行いの動機がどこにあったのかサッパリわからなかったのだが、あれはたぶん”面倒くさい”という仮想敵と常に戦ってるのだ。
彼らは「面倒くさい」という自分の気持ちに”負けてしまう”のが何よりも嫌だったのだろう。
普通の人ならラクに逃げたくなってしまう部分を突っぱね続けられたからこその、圧倒的な結果だったのである。
万人があそこまで全てを仕事に打ち込むは難しいだろうが、要所要所で参考になる事はあろう。学びたいものである。