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【SAKE革命】大学生が日本酒の最前線に迫る!【飯沼本家×千葉商科大学】

日本酒が面白くなってきている。


今回取り扱う話題はズバリ

「酒」です。



大学生になると(今はなかなか外食ができませんが)成人や飲み会などのイベントを迎えて、多くの人が初めて触れるもの。

お酒。



しかし、多くの人が飲むのはカクテルやハイボール、ビールなどなどではないでしょうか?


しかし、少し待ってほしい。


日本には「日本」の「酒」と書き、海外では「SAKE」と親しまれ、ノーベル賞でも振る舞われるお酒があるではないですか。



そう、「日本酒」です



「えぇ?日本酒?わざわざ飲まないよ、、」

「日本酒って古くない?」



そんな声が大学生から聞こえてくるような気がしますが、、、




「そんなことはない!面白い!!」





ということを、同じくお酒を飲むようになってから、「日本酒」にハマった一人の大学生として、伝えたいと思います。



さらには、日本酒の魅力や、日本酒最前線でどんなムーブメントが起きているかまで迫っていきたいと思います!

ということで、そんな魅力を探るべく、今回取材させていただいたのが私達の大学、千葉商科大学に最も近い酒蔵「飯沼本家」様です。




【飯沼本家様の説明】

ここで、今回取材させていただいた、「飯沼本家」様(以下敬称略)の
かんたんなご紹介をしたいと思います。

飯沼本家は創業がなんと「江戸元禄年間(1688年~1703年)」

千葉県の酒々井(しすい)という地で日本酒を作り続けている企業です。

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まずはじめに、飯沼本家に伺った際、敷地の広さに驚きました。


敷地内に、竹林や芝生、さらにはブルーベリー農園まであり、設備の説明を受けながら「ここは本当に日本酒を作る場所なのか?」と疑問になるほど様々な場所があります。

なんと工場周辺だけで3万坪あるそうです


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中でもこちらの母屋は江戸時代ごろからその姿を残しており、有形文化財として登録されています

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文化財の登録証。人生ではじめてここまで近くで見ました。


「日本酒」と言われると、どうしても心理的なハードルが、、、
という方は多いのではないでしょうか?

冒頭にも書いたように、自分の体感としてもお酒を飲む機会にはそんな雰囲気を感じていたのですが、実はこんなグラフにも出ています。

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2016年までをみても一ヶ月に約3者の酒造業者が廃業しています。

この背景には、清酒の消費の減少や、もちろん少子高齢化、海外からの輸入商品の増加など様々な要因が絡み合っていることかと思います。

個人的な考察にはなってしまいますが、明治ごろから今に至る中で海外からウイスキーやビールなどなど、たくさんのお酒が入ってきています。

やはりマーケティング的にも市場的にも、それらのお酒が持つパワーに日本酒は淘汰されつつあるのではないでしょうか。

さらに、蒸留酒をベースとするカクテル系のお酒にいたってはメニュー開発の幅はほぼ無限大です。

そして日本を代表する清酒である日本酒にとってもこれらの要因はダイレクトに影響してきます。

しかし、そこで諦めていない企業もたくさん存在します。


今回スポットライトを当てる日本酒文化の挑戦者。

飯沼本家もその一つです。

こういった日本酒業界の状況の中で、より新しい日本酒の文化とは?
ということを考え続けています。

そしてその一つの答えとして、飯沼本家が開発しているのが、コンセプトをもたせたストーリーのある日本酒です。

たとえば「夏詣」や「七夕」をイメージした夏の日本酒「甲子夏詣酒 星合」というお酒があったり、日本酒以外の事業など数々のイノベーションを生み出しており、日本酒文化の可能性を日々広げています。


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新時代のSAKE体験を創造しようと日々、日本酒という文化に向き合っている姿を今回は見させていただきました。

【飯沼本家の秘密に迫る】


まずは、こちらが工場の外観です。
ここから甲子(きのえね)などのたくさんの日本酒が生み出されていると考えるとワクワクしてきますね。

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更にその横には、冒頭で紹介した江戸時代から続く母屋があります。
改築を重ねてここまできれいな状態で残っています。

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築300年だそうです。



今は、内装がリフォームされて日本食レストランとして活用されています。

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雰囲気が最高です。
こんな場所でご飯を食べられたら最高に幸せだなあ。と思いながら見学させていただきました。

母屋レストラン、一度は体験してみたいです。

時代を超えて江戸の母屋が令和に新たな価値を生み出しています。

次は工場内部です。

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工場に入るとすぐ、展示があります。
ここでお酒のラインナップや、飯沼本家様の歴史を感じることができます。

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表彰された際のトロフィーなどもこちらにありました。
甲子→きのえね、飯沼本家を代表する日本酒


工場の内部は殆どの作業が自動化されており、これによって少ない人数でも大量の日本酒を品質は落とさずに作れるということですね。

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ちょうどこのときには、使い終わった機械のメンテナンスや洗浄を行っている時間でした。
毎日、機械の洗浄は丁寧に手作業で行われているそうです。

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こういった細かな努力から、素晴らしい商品が生まれるということを、見学を通してとても強く感じました。

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チーバくんカップ日本酒、千葉県内ではかなり流通しているそうなので探してみてください。

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精米の工程を説明してくださっている飯島さんです。
今回案内や説明を担当してくださいました。

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新規事業部長 飯島慶太さん
新規事業として多くのコンテンツを開発。実は料理人という一面も

そして工場から一歩外へ出ると
街の喧騒を忘れるような大自然が広がっています。

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こちらは敷地内にある竹林です。

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とても静かな場所で、街から離れた自然の心地よさが素晴らしい場所でした。

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こんなにも豊かな自然に囲まれて醸されたお酒。
瓶を開けたたらマイナスイオンを感じる気がします、、笑


【飯沼本家が描く日本酒の世界】


今回は、新規事業部長の飯島さんに主にお話を伺いました。

今、日本酒業界では、冒頭に出てきたように年々生産量が減ってきています。


更に、日本酒を飲むという人や、酒蔵なども減っており、まさに日本酒という文化に危機が訪れているといっても過言ではありません。

そんな環境の中で日本酒というものを再定義して、その素晴らしさや、面白さを文化として楽しんでもらう。ということに挑戦しているのが「飯沼本家」という企業なのではないか?ととても感じました。

例えば、敷地内のかつての倉庫を活用して、きのえね朝市という市場を開いていたりします。

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こちらの市場はコロナ渦でも利用者が減ることがなく、地域の農家さんや、様々なお店が集まって出店する市場となっており、地域の人々に愛されています。

他にも、「酒々井まがり家」という直売所があります。

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こちらでは、飯沼本家様から出ているお酒や、その他の様々な商品が購入できる他、カフェまで一緒についています。

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こうして多くの製品が並ぶと壮観です。

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こちらが、酒蔵カフェ。
お手製のカレーや、麹ドリンクがいただけます。

しかも、こちらで提供されているカレーは、飯島さんの手作りとのことで、そんな料理人としての一面にも驚かされました。

しかも、普通のカレーではないんです。

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こんなにも具沢山で、家庭のカレーよりもスパイスが効いています。
さらに真ん中に乗っている白い塊。(にんじんのちょうど真上)

これ、なにかわかるでしょうか?

実はクリームチーズなんです。
一瞬、合うのか!?と驚く組み合わせですが、相性は抜群です。
スパイシーな辛さが少し、まろやかになるだけでなく、クリームチーズの酸味でさっぱりとした雰囲気になり、別物の味わいへと進化します。

しかも、こちらのクリームチーズはただのクリームチーズではありません。
飯島さんがレシピを開発する中で、研究を重ね考えた「酒粕クリームチーズ」なんです。

カレーと日本酒の融合を楽しめる逸品となっており、これはお家では再現できないプロの味でした。

他にも、パフェや

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麹ドリンクなど

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酒々井の地で最も美味しいものが集まっているのではないかと感じるほど、「食」を楽しめるカフェとなっていました。

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食関連で、もう一つ紹介したいと思います。

それが、きのえねBBQというイベントです。

日本酒とともに酒々井の特産品を楽しめるこのイベントは、飯沼本家の敷地内にある大きな芝生で開催されます。

実はこちらの敷地のすぐそばに、現在グランピング事業を計画しているということを教えていただきました。

BBQの後に宿泊までできてしまったら、、、。
次の日を気にすることなく日本酒が楽しめてしまいますね。


さらに、


取締役社長 飯沼 喜市郎 氏

専務取締役 飯沼 一喜 氏


こちらの、お二人にもお話を聞く機会をいただきました。

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取締役社長 飯沼 喜市郎 氏

お話を伺った際に、とても心に残った言葉があります。

それは、

時代に合わせてカメレオンのように変化していく」という言葉です。

変化し続けることこそが江戸から現代まで価値を生み出し続ける秘訣であり、変化を受け入れながらも自分たちの強みを活かし続けるということを強くお話しくださいました。

ただ日本酒を作るだけの製造業ではなく、日本酒という体験をすべてデザインしていくサービス業へ。ということが飯沼本家では行われています。

その精神によって、
きのえねを飲んだ人々が、きのえね市やグランピングというコンテンツを楽しみ、日本酒が飲めなくても飯沼本家という世界感を体験して楽しむことができる。

さらにはグローバルに向けて、「きのえねomoya」での本格的な和食と日本酒体験を通して、日本本来の食文化を知ってもらう。

というような事業にも表れています。

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きのえねomoyaとは母屋レストランの正式名称です!

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こちらの、きのえねomoyaでは、なんとこの有形文化財の中で、食事ができます。
「二十四節気」という季節の移ろいをコンセプトに旬の食材を使った料理が楽しめます。

もちろん、日本酒の提供もありますので、飯沼本家の世界観を満喫できるのではないでしょうか。


古くからの日本酒を作る酒蔵では、このような新しい挑戦はなかなかできません。



しかし、こういった体験を通して、子供の頃にこの素敵な場所でグランピングをした経験があれば、その後成人したときに日本酒という文化に興味を持ってもらえる可能性は間違いなく上がっていくと思います。

さらに、日本酒を飲んでいる人にとっては、その日本酒の世界がグンと広がるような体験になると思います。

なによりもすごいと感動したのは、時代に合わせて変幻自在に変わっていき、日本酒が飲めなくても楽しめる体験を創造していくという企業の姿勢です。


そして、そんな挑戦を日本酒を作る企業が行っているという部分にとても感銘を受けました。



単なる日本酒製造業に留まらず、日本酒とその周辺で起きるサービスや体験、新たな事業など全て巻き込んで価値として提供していく。


まるで文化こそが商品である。というようなスケール感に、ただただ驚嘆しました。


そこから生み出される絶妙なバランス感が「日本酒を華やかに飾る体験であり、その体験に寄り添う日本酒」という唯一無二の世界観を生み出しているのではないでしょうか。




【まとめ】


ここまでご覧いただき、ありがとうございました。


日本酒好きの大学生が酒蔵の取材に行くという今回の企画でしたが、実際に行ってみるとそこは


・日本酒ではとどまらないエンターテインメントが詰まった場所


・時代に合わせて変化しつつ新しい体験を生み出す場所


というまさにSAKE革命が起きている最前線でした。

そして、これらの魅力は、「飯沼本家」を見学させていただけたからこそ、強く感じた魅力でもあったと思います。



こんなにも新しい体験へと日本酒という文化は変化しています。

そしてこれは、ただ飲んでいるだけではわからなかったことではないでしょうか?


つまり、日本酒は、商品として、お酒としての日本酒から

日本酒の周辺で起きている文化、すべてを含めて楽しむものへと変化しています。
まさにSAKE革命がやってきています。

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今回、快く取材に協力して頂いた飯沼本家様、お忙しい中、本当にありがとうございました。

そしてここまで最後まで読んでいただいた皆様もありがとうございます。



もし、興味を持った方、気になった方がいらっしゃいましたら、ぜひ酒屋で美味しい日本酒を買って、楽しんでほしいと思います。



そのときにはぜひ、飯沼本家の甲子(きのえね)を購入してみてくださいね。







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