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大都会・本八幡に潜む!夕方5時から開く不思議な文房具屋さん・ぷんぷく堂(後編)

ご機嫌麗しゅう、画面の前にいらっしゃる紳士淑女の皆々様。

市川一純粋かつ可憐で優雅な天使こと(ぴゅあ)えんじぇる♥りりぃでございますの。

さて、前回は大都会・本八幡に潜む文房具さん・ぷんぷく堂店主櫻井有紀さんに文房具のことについてインタビューしてまいりましたわ。

(前回の記事?何それ?と思った無re…いえ、うっかり者のあなた。まずは前編を見てから出直してきなさい!)

(私のことを全くしらないそこのあなた!私の自己紹介も絶対に見なさい!)


さて、前半は文房具のことについて櫻井さんにお聞きしてきた私達。

文房具に対する熱い情熱(パッション)に溢れたお話を聞いていくうちに私達のインタビューもどんどんヒートアップ。より熱く・より内容も濃くなって参りましたわ。

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(文房具に対して、熱く・そして楽しそうに語ってくださる櫻井さん。)

後半戦ではぷんぷく堂のお店のことについて櫻井さんに聞いて参りますわ。

どんな内容になるのかもう、あなたは目が離せないはず!さあ、ご覧あれ!

(注意)

この記事は対談方式で執筆いたしますの。

イエロー=Yellow!取材班、櫻井さん=店主の櫻井有紀さんと表記いたしますわ。

ご了承くださいまし。

もしかしたらぷんぷく堂は古本屋になっていた⁉

イエロー:次は、ぷんぷく堂のお店のことを中心に質問していこうと思います。まず、お店を始めようと思ったきっかけを教えてください。

櫻井さん:漠然な夢として、昔から文房具に関わらず、いつか夫と二人で何かしらのお店を開きたいと思っていました。

それで、夫は印刷会社勤務だったのですが、業界の衰退で今後に危機感が募っていたこと、長女が高校を卒業して子育てが一段落したので、そのタイミングでお店を始めようと思ったんです。

最初は夫が古本好きなので古本屋にしたいと言ったのですが、当時本八幡のハタビルにブックオフがあったので(現在は閉店)、断念しました。

ならば、、押し入れにあった何千本の鉛筆のコレクションを目にし、「これを(鉛筆)売れば良くない?」という話になったんです。

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(壁一面に広がる鉛筆のコレクション!)

ただ、鉛筆は一本数十円とそれだけでは儲けが出ないのと、書くものを売るのなら、書かれるものが必要だという考えに至ったので、鉛筆と一緒にノートなども売ろう、何なら自分の好きなものを置こう!という考えへと進化しました。

お店をやっていての悲喜こもごも。

イエロー:なぜ営業時間が夜からだったんですか?

櫻井さん:当時義姉(桜井一恵先生。刺繍作家の第一人者。)の隣の雑貨屋「アトリエKAZUE」の手伝いをしていたんです。KAZUEの営業時間が夜6時まででその後からお店を始めていたので、必然的にそうなりました。

また、万が一お店が失敗しても生活費を確保するためでもありました。また当時は何が何でも5年は続けようと思っていました。

イエロー:お店を始めると言ったときの家族と周囲の反応はどうでしたか?

櫻井さん:子供に関しては全く反応が無かったですね。子供は子供の人生があるという志向ですね。しかし、子供に迷惑は掛からないようにと意識はしていました。

義姉からも特に反対はされませんでしたし、お店に対しても口出しは無いですね。ちなみに店舗は元々アトリエKAZUEの店舗を経て倉庫だったところで、義姉から借りています。義姉の取材にきたインタビュアーさんがぷんぷく堂のファンで、ぷんぷく堂のことをたくさん質問されていたという話も聞きました。

友人は、専門学校時代の友人がインスタライブを聞いてくれています。とても嬉しかったです。

イエロー:お店を始める際に苦労したことがあったら教えてください。

櫻井さん:まず、文具の仕入れ方法がまったくわからなかったんです。馬喰町の現金問屋街で少しづつ仕入れて仕入れを学んだり、某ノート会社の方から仕入たりしていました。

また、2012年4月23日にオープンしたんですが、3時間ずっとお客さんが来なかったことは印象に残っています。眠いし、変な疲れがでてきましたね。また、真冬は寒すぎて眠くなるので、お店に立つのが特につらい時期ですね。

イエロー:お店をやっていて印象に残っていることがあったら教えてください。

櫻井さん:開業1か月で旬刊ステーショナーという文具の業界紙に掲載され、文具業界で注目を浴びたことです。

なんともリズミカルな名前の由来。

イエロー:ぷんぷく堂の名前の由来を教えてください。

櫻井さん:元々Gパンで作ったがま口をイベントで販売しようとしたとき、サクライではなく違う名前にしたいと思い、知り合いのコピーライターにただでお願いしてつけてもらったのがこの名前です。

『「ぷ」ん「ぷ」く』の部分は、聞いた際に、丸が連なっている感じが可愛いところと、はじける感じが可愛らしくテンションが上がると感じました。文房具屋を始める際も馴染みがあったのでこの名前にしました。書体も文房具屋開店当時から使用しています。
中には気に入って意味なくこの名前を書いていて、気持ちが明るくなるという方もいらっしゃいました。

イエロー:当初、ぷんぷく堂はがま口のお店の名前だったとお聞きしましたが、なぜがま口ではなく文房具でお店を始めたんですか?

櫻井さん:夢を叶えることは、儲からないとつまらないし、続かないことだと私は思っているんです。

がま口は型紙から作るので時間がかかるうえ、採算が取れないと思ったのでやめました。ただ、当初はがま口も少し並べていたのでぷんぷく堂=がま口、というイメージもありました。

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(次から次へと出てくるエピソードに思わず私達もヒートアップ!)

ぷんぷく堂のコンセプトは、「自分が良いと思うモノだけを置く」

イエロー:商品の仕入れで工夫していることはありますか?

櫻井さん:ぷんぷく堂のコンセプトは流行りに流されず、自分が良いと思ったものしか置かない、その軸をぶれないようにすることです。

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(店内にもそのような表記が小さくでも書いてありましたわ。)

仕入れは年4・5回の文具問屋の展示会で自分の目で見て仕入れます。
文具系のメディアは一切読まないです。なぜなら、自分の良いと思うアンテナに誤作動が起きてしまうんです。

流行りや人の物を仕入れても、他のところでも売っているので結局売れないんですよ。

場所で全く異なる客層が面白い。

イエロー:現在の客層はどうなっているのでしょうか。また、店舗・ネット・催事で変化はありますか?

櫻井さん: 開業からの2年間は会社帰りの男性客が多かったです。割合でいうと男性7:女性3という感じでした。

現在は男性2:女性8と逆転しています。きっかけは4年前からインスタに写真を載せ始めたこと、山形県米沢在住のイラストレーターmizutamaさんとコラボして、彼女がぷんぷく堂の話をして、そこから女性客が凄く増えました。

客層は場所ごとにはっきり違っていて、お店の場合は、足りないものを探すよりも、自分に合うものを探すという方が多く、ぷんぷく堂に来る事が目的という方も多いです。

ネットの場合は買いたいもの(足りないもの)を探す感じの方が多いです。

百貨店の催事の場合は文具マニアと百貨店のお客様の両方がいらっしゃいますね。百貨店の高齢の顧客が初めて知って、ファンになることもあります。仙台の藤崎百貨店の催事の場合は30代から40代の顧客が多いと担当の方がびっくりしていましたね。

ちなみに紙博という文具の催事の場合は、入場料を払うので、完全に文具マニアの人が多いです。

催事の際は手数料がかかるので、オリジナル文具と自身が知っていておすすめするメーカーの物を持っていきます。鉛筆と仕入れ品は持って行きません。

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(製品の仕上がりに感動しているメンバー。)

ネット販売へのこだわりも凄い!

イエロー:最初のほうで対面販売にこだわりたいと仰っていたが、なぜネット販売も始めるようになったのでしょうか?

櫻井さん:ネット通販は元々やりたくないからやっていなかったんです。しかし、オリジナル文具を作った頃から遠方の方からの問い合わせが増えてきたのと、自分で手続きをするよりも効率が良いので、当初はアマゾンに出店したんです。しかし、手数料が高いので現在はストアーズに出店しています。

インスタライブを始めたのは、ただページを見ているだけではつまらないと思ったことと、もっといろいろなものを見たいというお客様からの声からです。インスタライブで紹介した商品が、欲しいので見たいという声に合わせてストアーズにも載せています。どちらも全国にファンが増えるきっかけになりました。

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(中央にあるのがネット梱包用の段ボール。中にはカードも。)

イエロー:対面販売とネット販売で違いは感じますか?あったらどのような点ですか?

櫻井さん:ネット販売の場合、注文された商品をただ送るのではなく、「サンキューシール」を貼り、「ぷんぷく堂で買い物をした」という事を実感して頂くよう工夫しています。購入したお客様の中には、サンキューシールを綺麗に剝がし、手帳に貼ったりしている方もいらっしゃいます。

郵送する際の段ボールも工夫していて、以前は手元にある段ボールや使えそうな段ボールを集め使用しましたが、今では新品の段ボールを用意し使用しています。これは近所のお店さんのアイデアで、遠方の方にもぷんぷく堂で商品を買ったという実感を感じてもらうためです。

また、新商品は必ずインスタライブで説明するようにしています。ネット販売だと遠方の方ともコミュニケーションもとれるのが良いですね。

可愛いお店作りの裏話。

イエロー:お店の外観やデザインにこだわりはありますか?

櫻井さん:当初はお金が無かったので、初めはあり合わせにもので「これでいいや」と思って始めました。什器がカントリー調ですが、これは全てアトリエKAZUEのおさがりです。引き出しに商品を陳列したのも、場所が少なかったからです。

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(店内のカントリー調の棚。これがまた可愛らしい!)

また、赤い扉は菅野にあるダスキントQというお店の扉をモチーフにしています。ダスキントQのオーナーとは知り合いで「赤い扉が可愛らしい、こんなお店にしたい!」と感じ、緑の扉から赤へと塗り替えました。

本八幡の夢は夜ひらく。ぷんぷく堂も夜ひらく。

イエロー:文具店は夜ひらくというキャッチコピーが素敵です。しかしなぜ赤ちょうちんなんでしょうか?

櫻井さん:このキャッチコピーは元々市川出身の東京新聞の女性記者が名付けたものなんです。新聞は事前チェックNGだったので、紙面で気づきました。昭和レトロ感があってよい言葉だし、ネーミングがうまいので私はとても気に入っています

 また、赤ちょうちんは、夫が好きなワールドミュージックやミュージックマガジンという雑誌の中の「河内音頭」が出る錦糸町のお祭りに2人で行った際に、赤ちょうちんが5千円で名入れ・広告ができる事を知った為、依頼をして制作して頂き、2日間飾ったものなんです。お祭りが終わると飾った赤ちょうちんは頂けたので、しまうのももったいないから店頭に飾っています。今ではぷんぷく堂のシンボルにもなっていますね。

輝くセンスを持つ櫻井さんの原点とは?

イエロー:櫻井さんの持つ独自のセンス、優れた文具を選ぶ【目利き力】はどう磨かれたのでしょうか。そして磨くためにはどうすればいいでしょうか?

櫻井さん:元々人とは違うものを持ちたいという思いが目利き力になっていると思います。
量販店で扱っていないものを扱うこと、たとえ他で同じものを売っていたとしてもぷんぷく堂の思い出が付いてくるようにと思っています。

あと、ビックリハウス(1970年代から80年代にかけてパルコが発行していたサブカルチャー雑誌)と宝島(1970年代から2015年まで宝島社が発行していた雑誌。1970年代から90年代初めまではサブカルチャー色が強かった。)は原点です。元々サブカルチャーが大好きでした。今でもヴィレッジヴァンガードのフリーペーパーを読みます。

また、高校時代、原価と売値をバイトで学びました。経験は積み荷になると思います。

櫻井さんの溢れるチャレンジ精神。

イエロー:最後の質問になりますが、これから更に挑戦したいことはありますか?

櫻井さん:これからさらにやりたいことは一杯あります。アイデアも山のようにあります。自分たちの代でお店は終えるつもりだから、出来る限り健康第一でありたいです。また、皆が驚くような、笑顔になるような文具を作りたいです。

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(最後に、グランプリを受賞したあなたの小道具箱と一緒にパチリ! 櫻井さん、本当にありがとうございました!)

ま・と・め・っ♥

さて、これで本当にインタビューは全て終わりましたわ。後半はお店の事についてお聞きしましたが、画面の前にいらっしゃる紳士淑女の皆々様はどんな感想を持たれたでしょう?

お店を成功させるにはきちんとしたコンセプトを持つこと、それを維持し続けることが重要である、と以前どこかの御本に書いてあったのを見かけましたの。まさにぷんぷく堂はそれに倣っているからこそ、様々なジャンルの文房具があってもどこか統一感のある雰囲気を出せているのだと納得いたしましたわ。

さて、インタビューこそ終わりましたものの、最後に取材のあとに私と、企画に賛同してくれた愛すべきイエローのメンバー達、カ♥フェッティー・シベリア♥雪爺・みんなの♥たー坊が買った文房具のご紹介と、それぞれの感想、おまけ話なども折角なのでそちらも皆様にご紹介したいと思いますわ。しばしお待ちくださいまし。

それでは画面の目の前にいらっしゃる紳士・淑女の皆様ごきげんよう。また会う日までさようなら…。

🌟ぷんぷく堂からのお知らせっ🌟

全国にいるファンの多さからか、あちこちから出店のラブコールがかかるぷんぷく堂。今度は長野に初出店みたいですの。お近くの方はぜひ…

名称:ながの文具の博覧会~ハッピーペーパーマーケット~

会期:12月16日(木)~22日(水)

営業時間:10:00~19:00 ※最終日は午後5時閉場

場所:ながの東急百貨店(長野県長野市) 本館5階催物場






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