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ONLY GOD

2013年にリシケーシュで開催された、プージヤ・シュリー・ダヤーナンダ・サラスヴァティの講義を復習するためのノートです。書き落としの翻訳ではありません。要点をまとめ、さらに、筆者による補助的な加筆を多く含んでいます。ヴェーダーンタを学ぶきっかけになればと思い、ノートを公開していますが、この文章を読んだだけで、ヴェーダーンタを理解したことにはなりません。ヴェーダーンタの正しい理解の為には必ずクラスに参加してください。時間を見つけて更新していくつもりです。


 世界中で使われている言葉の中で、もっとも混乱されているものは、「神」という言葉でしょう。「神」という言葉を、それぞれの人が、それぞれに理解しています。全ての人が、その人の「神」に対するコンセプトを持っています。ユダヤ教徒も、キリスト教徒も、イスラム教徒も、ゾロアスター教徒も、世界中の様々な宗教の教徒や、様々な部族も、それぞれのコンセプトを持って、一様に、「私は神を信じます」と言います。無神論者も、彼らなりの「神」に対するコンセプトを持っています。このように、皆が違う意味でひとつの言葉を使っているのですから、これは混乱に他なりません。「神の為に(God's sake)」と言いながら、神の名の下に、人間は互いを破壊し続けています。それに終わりはありません。ゆえに、今回のキャンプのトピックは、「神とは何か」ではなく、「There is only God 神のみが在る」とします。

 「神」とは、神学や宗教の狂信者のトピックではありません。私達(ヒンドゥー教)にとって「神」とは、全ての人の毎日の生活です。インドの東西南北どこでも、何の教えも受けていない素朴な村人を見つけて聞いてみてください。「神はどこですか?」その村人は困惑するでしょう。そのような質問など考えられないからです。村人は「全てはバガヴァーン(神)です」と答えるでしょう。(改宗されている人に聞いても、上を向くだけですから、改宗されていない人に聞いてみてください。)それはシンプルなことではありません。インドだけです。インド以外では、神には神の居る場所(天国など)があります。神がどこにでもいる(日本の八百万の神のように、様々なものに宿っている、というコンセプト)ではなく、全てはバガヴァーンなのです。God is everywhere ではなく、everything is God なのです。(続く。)

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