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2020年、激動の BUMP OF CHICKEN への信頼を問い直す | わた藤 執筆後記

フラスコ飯店で連載している「わたしがグダグダうじうじしていることは大抵すでに藤原基央が曲にしている」、略して「わた藤」の番外編が公開されました。楽曲も取り上げましたが、今回の記事の本題は BUMP OF CHICKEN の楽曲の「外側」。前回、第5回では「66号線」について書くと言っていたのですが、それを取りやめての番外編です。

2020年、激動の BUMP OF CHICKEN への信頼を問い直す | 彼らの振る舞いや不倫報道へのステートメントを読んでわかること

きっかけは、8月24日に発表された藤原さんの結婚と、9月18日に報道された Ba. 直井さんの不倫スキャンダル。

特に直井さんのスキャンダルについて、怒ったり悲しんだり、笑い話にしてみたりもしたけれど「そもそもわたしは怒ったり悲しんだりしていいような立場なのかな」と悩んだり、「おかしいことはおかしいでしょ」と勇んだり、今までの連載を自分で読み返してやっぱり彼らの存在の大きさを実感したり、何にも折り合いがつかない日々を過ごしました。

今回の記事は、この2つの出来事をどう受け取ればいいのか、どうしてわたしはこんなに揺らいでいるのか、そもそも BUMP OF CHICKEN とはどんなバンドだったのか、これから彼らの曲をどういう顔して聴けばいいのか? といった事について、わたしが(卒論をほったらかして)2ヶ月と2万字超をかけてグダグダうじうじ悩み抜いている記事です。

もちろんバンドとの距離感はリスナーの数だけあると思いますし、何かを代表するつもりもありません。それでも、BUMP OF CHICKEN と一緒に育ったわたし自身のために、これからも彼らの曲とちゃんと向き合って本当のことを真摯な気持ちで書くために、この記事は絶対に必要なものでした(そしてそんなことがもし可能ならば、ほんの少しでもわたしと同じように悩んだ人のためになったらいいな、とも願っています)。

冒頭や目次が画像で公開されていますので、もしよければそちらだけでも見てもらえるとうれしいです(以下は編集長のTweet)。

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さて、いつも通りアイキャッチはイラストレーターのくどうしゅうこさん。(Instagram:@shk003

鏡に向かい合っているのはわたし自身で、「 自分と向き合う事を避けては通れない、見て見ぬ振りをどうしてもできなかった」という意図があります。右側の鏡をドンと叩いている部分はちゃんと悩んだからこそ抱えたやるせなさや自戒を。さらには英単語の ”BUMP”(一撃・衝突する)ともかかっています。

他のカラー案があと3つあったのですが、自分と向き合う時の出口のない閉塞感がよく出ている事と、記事の最後で取り上げた曲のシングルジャケットに合わせてこの色になりました。

今までとは打って変わってかなりの分量で堅いことも言っている記事なので、キャッチーさを大切にしつつ文章との温度感を合わせて仕上げてくださり、このアイキャッチと一緒に記事を出せたことがとても心強かったです。

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今回も、くどうさんの許可のもと採用にならなかった案を紹介します。

↑こちらはポップさを前面に押し出した案で、向き合いたいが向き合い方がわからずグルグルしているわたしがモチーフです。毎回のことながら全部のラフが最高に良いのでアイキャッチを選ぶのは修羅です。

↑こちらは、何重にもフィルターをかけられている赤い惑星(= BUMP OF CHICKEN )を眺めているわたしがモチーフ。熱量を込めて向き合えば向き合うほど、自分今まで見てこなかったものが見えてくる。そういうしんどさや虚しさをすごくよく汲み取ってくださっています。

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そして、今回はくどうさんにアイキャッチだけではなく、記事全体のアートディレクションも担当していただきました。実は、見出しや小見出しの字はわたしの直筆です。

さらに、2万字を超える長い記事を少しでも読みやすくするために、くどうさんの挿絵も十数点入っています。スクロールが増えないように、大きいものではなくてあくまでちょっとだけ息をつけるようなサイズ。アイディアに脱帽 & 記事への愛に頭が上がりません。

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長くなってしまったのですが、わたしが言いたいことは記事の最後のこれに尽きます。

仲が良かったのか、本当のところはもはやわからない。でも、間違いなく一緒に大人になった BUMP OF CHICKEN が生み出したこの曲の、藤原基央が書いたこの歌詞が、彼ら自身をどうか少しでも救ってくれますように。

どの歌詞を当てはめるのかはきっと人それぞれだけど、わたしの答えもぜひ確かめてもらえたらな、と思います。

次回予告

思えば、父親の心配ばかりして生きてきた。
お父さんは孤独じゃないだろうか、生きていてよかったなって思えているんだろうか。
昔から「あなたの人生ですから」が口癖の彼が与えてくれたその愛。
次回は、2010年リリースのアルバム『COSMONAUT』に収録されている「66号線」に寄せて、自他を区別することについて考えます。

5曲目は2010年のアルバム『COSMONAUT』収録の「66号線」。1月に公開できるように頑張ります。

「わた藤」トラックリスト

1曲目:「ディアマン」ともう聴かなくなったバンド

2曲目:「宇宙飛行士への手紙」と流れ星のわたしたち

3曲目:「リボン」と無敵の友情

4曲目:「才悩人応援歌」と健やかな破滅

番外編:2020年、激動の BUMP OF CHICKEN への信頼を問い直す | 彼らの振る舞いや不倫報道へのステートメントを読んでわかること

▶︎執筆後記たち:https://note.com/medetais/m/mf0b3435eff05

▶︎藤原基央さんのお誕生日に寄せて書いた連載予告はこちら

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