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キャリアの転機はを誰にでも起きる!転機を乗り越える「シュロスバーグの4Sモデル」とは

こんにちは。
産業カウンセラーの若林ひろこです。
年度末の3月から4月にかけて、入社・退職・転職・転居・出会いや別れ…
様々な変化で、ご自身をとりまく環境が変わっていく方が多いのではないでしょうか。
特に春はキャリアの転機が起きやすい季節です。
ですが春に限らず、あなたの長い人生どこで思いがけない転機に出くわすことになるかわかりません。

実は私自身も、最近予想だにしない転機に直面して
久しぶりに自分自身の感情がざわざわした出来事がありました。
そんなピンチに知っておくと役に立つ
転機を乗り越えるためのキャリア理論を本日はお伝えします!

避けられない転機ならば、直面した時に慌てず対処する事が
ご自身や周囲の大切な人を守る事に繋がるので
ぜひ知っておいて欲しいお話です。

■「シュロスバーグの4Sモデル」

アメリカの心理学者 ナンシー・K・シュロスバーグが唱えた理論です。

シュロスバーグは、人生はキャリアの転換の連続からなり、転機を乗り越える努力と工夫を通して自己のキャリアが形成されていくと述べています。

つまり、キャリアの形成には転機が不可欠であり不可避なので、この「転機」に対してうまく対応することが大切だと伝えており
その転機の乗り越え方として、シュロスバースは「4S」モデルを活用する事を説いています。

■転機を乗り越える2ステップ

転機の乗り越え方は2ステップです。
①転機のタイプを見極める
②自身のリソース(資源・資産)を4Sの視点から点検する

①転機のタイプを見極める

状況確認は対処を考えるための基本です。
シュロスバーグの4S理論では、まずは転機の種類を見極めていきます。

転機は大きく分けると2種類
「イベント」と「ノンイベント」に分かれます。

1.「イベント」=あるイベントが起きた事
イベントには次の2種類があります。
・『予期していて起きた事(準備していた転職や就職、引っ越し、結婚など)』
・『予期しておらず起きた事(突然の解雇や、病気、コロナの発生など)』

2.「ノンイベント」=予期していたのに起こらなかった事(昇進の話がなくなる、結婚の予定がなくなるなど)

出来事が起こらなかった事も“転機”になるのは面白くないですか?

おそらく今起こっている事、あるいは過去起こった事は
このいずれかに分類できるはずです。
まずは、ご自身に起きた出来事がどの転機のタイプなのか明らかにすることがスタートラインです。


②自身のリソース(資源・資産)を4Sの視点から点検しましょう。

転機のタイプが確認できたら、対処方法の検討です。
シュロスバーグは4つの視点から、ご自身のリソースを点検する事を重要視しています!
その重要なリソースの頭文字をとって4S理論と呼ばれています。

1.状況(Situation)
やはり基本は状況です。
状況を把握する一例を記載します。
原因:この転機の原因は何なのか。
期間:転機は一時的なものなのか長期的なものなのか。
経験:過去に同じような経験があるか。
認知:自分自身がこの出来事をどう受け止めているのか(ポジティブにとらえているのか、ネガティブにとらえているのか)

2.自己(Self)
ご自身の事を改めて自己分析する事も大切です。
自己を理解する一例を記載します。
価値観:自分が大切にしている事は何なのか
特性:自分自身の性格や強み・弱みは何なのか
要望:自分はどうしていきたいのか

3.支援(Support)
人は一人では生きていけません。
ご自身に対して、家族や友人、知人、公的機関や専門家の存在など
自分を支えてくれる外的リソースはなにがあるかチェックしましょう。
支援とは、心理的な支援から情報の支援、経済的な支援まで幅広く含まれます。
人間関係:周囲に助けてくれそうな人がいるか
情報:役立つ情報はないか、どこだったら情報を得られそうか
金銭面:貯金の状況や利用可能な助成金などはないか

4.戦略(Strategies)
先の3つのS(状況・自己・支援)をチェックしたうえで
転機に対応する具体的な戦略を立てていきましょう!

具体的な戦略は3つの対応が考えられます
1)状況を変える対応:仕事を探す、新しい病院に行く、勉強をするなど具体的な対応
2)認知を変える対応:起きた転機の意味の解釈・受け取り方を変える対応
3)ストレスを解消する対応:どうしてもすぐに状況は変えられない。受け止め方も変える事が出来ない…。
そんな場合はご自身が転機によるストレスでつぶれてしまわないようにリラクゼーションや運動など、ストレスを解消するという対応を取り入れる必要があります。

■状況を客観的にみてみよう

今もし転機があなたに起きていたら、それを乗り越えるために
「4Sモデル」を活用する事をおすすめします。
ただ転機に振り回されていても状況は好転しません。
現状を冷静に分析して対処することが大切です。

その具体的な方法として
①まず転機の種類を見極め
②そして4Sである「状況」「自己」「支援」「戦略」を検討し
今まさに直面している転機を、客観的に見つめることをおすすめします!

■客観的にみることで見えてきた解決策

自分の話で恐縮ですが、いくらキャリア理論を知っていても
やはり大きな転機が起きるとキャリアの専門家も動揺します。
そんな時、知っている理論を実際に活用する事で少しでも早く冷静さを取り戻す事ができます。

実際に私も最近の転機が起きた際に、このステップで客観的に考えました。
今回は「予期していなかった転機」が起きて、かなり感情も落ち着かない日が続いていましたが…
4sを点検した際に、もう動かしようのない(自分の力ではどうしようもできない)事態だったので
起きた出来事のポジティブな面を探し
幸い周囲の支援は十分にあったので、今すぐ対処はせずにしばらく静観する事を選びました。

戦略でいう、状況は変わらないけれど認知が変わった状態です。

状況が変わっていなくても、
自分がそれを「考えたうえで敢えて選ぶ」ことで
だいぶ冷静になれたなと、実感した出来事でした。

■一人で解決できない時は専門家に相談しよう

人は問題に向き合っていると、つい視野が狭くなりがちです。
そんな時こそ少し問題から距離をとって、客観的に見る事で新しく見えてくるものがあるはずです。

また、ご自身の認知のクセや思い込みも影響するため
より広い視野で解決策を考えたい場合は
キャリアコンサルタントや産業カウンセラーなど専門家と一緒に対応を考えていくこともおすすめです。

出会いと別れの季節。

今起きている転機が、あなたのキャリアにとって良い方向に影響する事を願っています!

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