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バッタ本ふたたび

こんにちは、メダカ飼育担当のメダたんです。
おもしろバッタ博士である前野ウルド浩太郎さんの「バッタを倒しにアフリカへ」に、続編が出ました!(前作の読書記事です↓)

読書をする人には好きなジャンルがあると思いますが、メダたんの好きなジャンルの1つは「おもしろ博士」です。このジャンルはなかなか難しく、彼らは本業の研究で忙しい上に、研究結果を論文として発表するのにも忙しく(これも本業の一部ですが)、一般人向けの本は滅多に出版されません。しかし、待望の続編「バッタを倒すぜ アフリカで 」がついに出版されました。メダたんはKindle派なので、予約購入して、発売日の深夜の寝ている間に配信されるのを待ちます。

続編であるとすぐにわかる、前作とよく似た表紙です

まず購入前に、要注意ポイントがありました。Kindleでは「バッタ画像抜き版」も販売されています。画像抜き版は、概要に「本書でしか読めないまえがき付き」と書かれているし、少し値段も安くなっているし、気にはなりますが、バッタ画像は必須なので通常版を選びます。
もう1つの注意点は、予約購入するなら必ず発売日から読み始めるつもりであること。Kindleは価格やポイント還元の変動が大きく発売後すぐお得になる可能性大なので、発売即読み始めるつもりという自分の意思も確認してからポチッとします。(ちなみに読み終わった昨日の段階で、値下がりはしていないけどポイント還元率はかなり上がっていました。)

発売日の朝からベッドの中で読書開始。Kindleの醍醐味です。いきなりお馴染みの、モーリタニア、バッタ研究所、相棒のティジャニが登場。しかし無収入も前作と変わらず。あれ?前作の最後で収入は確保していたはず… 前作の最後どうだっけ?? と見てみたところ、時期的には前作と被っている事がわかる。さらに、あとがきに「論文未発表なので研究内容はあまり書けなかったけど、発表後には読み物として紹介するから待っていて」と書かれているのを発見。本の概要から研究内容が載っているのを期待していましたが、前作のあとがきを見てさらに期待が高まります。

今作のメインテーマは「集団別居仮説」。もちろんサバクトビバッタの、です。サハラ砂漠でのフィールドワーク中に、オスだけの集団に単独のメスが飛び込んできて次々とカップルが誕生するのを目撃し、今まで雌雄同居と思われていた点に疑問を持ち、集団別居仮説を立て(この時点でメスの集団の存在は不明)、検証のためのデータを集めます。

著者はモーリタニアを中心に世界各地でフィールドワークや実験をし、本や文献を読みます。フィールドで観察した現象をベースに仮説を立て、その仮説をサポートするデータを野外やラボで取っていきますが、本を読んで既知の知見を得て、現象に対する考察を深めて新たなデータ取りに繋げたりもします。
モロッコのラボでのエピソードが特に面白い。当初は実験に必要なものが揃っていなかったため、見知らぬアフリカの街のマーケットで売られているモノを集めて、経験とヒラメキを頼りにバッタのエサや飼育容器を確保します。著者得意のローテクが砂漠で役立つのはわかり易いですが、ラボでもアイデアと工夫で困難を乗り越えていきます。そして、前作ではあまりバッタが発生しませんでしたが、今作ではバッタに何度も遭遇でき、ついに仮説の検証に必要なラストピースだったメスの集団も発見します。

最後は研究者にとって非常に大切な、論文投稿。一流紙への掲載を目指して一度はリジェクトされますが、紆余曲折を経て大幅にブラッシュアップしてもう一度チャレンジし、ついに掲載されます。10年の努力がついに実りました。論文発表されて一般書籍にまでなった集団別居仮説(いつまで仮説と呼ぶのだろう?)を、バッタ退治に応用する案も本には書かれています。研究過程や成果を読むのも楽しいですが、いつか、その成果が実際にバッタ災害対策に応用されたストーリーも読んでみたいと思ってしまいました。

文字が多くなったので可愛いメダカの写真をどうぞ。光とグリーンウォーターで不思議な水色になっていますが、左上の赤紫はメダたんの指の写り込みです😓 奇跡の1枚。

今作では、相棒ティジャニのサブストーリーで1章使っています。前作でもティジャニは印象深く、読む前から表紙の2人目はティジャニとすぐわかるくらいですが、有能でナイスガイだけどおもしろキャラの印象がありました。今作でもおもしろキャラですが、ものすごく有能なことも明かされます。しかしサブストーリーの後半まで行くと、前作の読者としては、ティジャニに表紙でコスプレサービスしてもらう権利が自分にはある、と思ってしまうようなエピソードも出てきます。それでもティジャニの行動力はすごく、憎めないキャラです。

写真もたくさん出てきます。著者のもう1冊の著書「孤独なバッタが群れるとき」を読んだ時にはバッタ写真を拡大して見ていましたが、今作でも何回も拡大してしまいました。Kindleの醍醐味その2です。
今作はKindleで「バッタ画像抜き版」も売られていて、「本書でしか読めないまえがき付き」であることもわかっていました。気になる… という事で、Kindleの特権で画像抜き版の無料サンプルも読んでしまいました😅 ムシが苦手な人用の「ムシ抜き版」はワサビが苦手な人用の「サビ抜き寿司」と同じだそうで、ワサビ苦手なメダたんは、「ムシ抜き版」の重要性がわかりました。

著者の真似をして、我が家に来た昆虫の写真を撮ってみました。逃げられずに撮るのが大変。

トップの写真は、前回と同じ近所で物色中の野生のカモで、バッタ本の表紙のバッタ人間が1人から2人に増えたのに合わせて、今回はカモ2羽です。前回は水中生物の天敵と思ってトップの写真にカモを載せたのですが、どうやらカルガモは植物食で、水中生物の天敵ではないようです。でも可愛いので今回もカモを採用。

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