三浦綾子(著)『氷点』をAudibleで聴き終える。
三浦綾子(著)『氷点』を、Audibleで聴き終えました。
再生時間23時間35分という、長い物語でした。
再生速度を早める機能もあるのですが、初めてのオーディオブックということもあって、最後までデフォルトの1.0倍速で聴き終えました。
歩きながらだったり、車の運転をしながらだったりという、「ながら読書」ができない状態で小説を聴けたことは、とても便利に感じました。
今年の6月に旭川に旅行に行った時に、バスガイドさんが三浦綾子さんの作品について、いくつか案内をされていました。
それで、旭川市内にある「三浦綾子文学記念館」に行こうと思ったのですが、ホテルに着いたのが遅くなって、行くことは叶いませんでした。
これまで、三浦綾子さんの小説は読んだことがありませんでした。一度は読んでみたいと思っており、最初に読むならやはり『氷点』だと考えていたのです。
『氷点』という2文字のタイトルが、私にとって、なぜか強いインパクトがありました。
『氷点』は、戦後の旭川を舞台にした、ある家族の物語です。
テーマは家族であったり、愛であったり、命であったりするのですが、実際に読んでみると(聴いてみてみると)あまりにも過酷な物語だったというのが、率直な感想です。
現実的にはこんなこと、あり得ない話だろうとは思うのですが、人間の心の中には、多かれ少なかれ、意地悪な部分があります。
誰しも、自分のことが一番大切なのです。そして、他人のことを見下したり、羨んだりします。
現実の世界では、人の内面というのは表に出ないので、他人が何を考えているかなんてわかりません。
しかし、小説というのは、人の心の内面まで文字にしてしまいます(オーディオブックの場合は、言葉にします)。
そこに小説の面白さがあるのだと思います。
終始、息苦しくなる物語で、途中で「もうやめてくれ!」と言いたくなりましたが、次の展開が気になって、聴くのが止まらなくなりました。
それだけ魅力のある作品ということなのでしょう。
書籍としては、『続氷点』も販売されているのですが、Audibleでは検索しても見つかりませんでした。
この後、紙の本で読もうか迷っているところですが、しばらくは時間を置きたいと思います。
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