【読書】原田マハ(著)『常設展示室』「豪奢 Luxe」〜絵画には物語りがある〜
私の周りに、普段から美術館に行く人は殆どいません。
偶に私が、時々美術館に行っていると言うと、とても不思議がられます。
こういう私も、昨年までは美術館には全く興味がありませんでした。
世の中には、美術館に行く人なんてそんなにいないと思っていたのですが、都内の美術館に行くと、いつも人でいっぱいです。
原田マハさんの小説を読んでいて、物語りの中に自分が見たことのある絵画が出てくると、何故か嬉しくなって、1人でニヤついたりしてしまいます。「オレもその絵、見た事あるもんね。」と、誰にともなくマウントを取っている自分に気付くのです。
美術館に行かない人も、原田マハさんの小説を楽しむ事ができるのでしょうか。
原田マハさんきっかけで、美術館に行くようになったという人は、多くいると思います。
ネットや雑誌で見る絵画と、美術館で実物を見るのとでは、全く別のものなのです。
絵画には物語りがあります。
当然、その絵を描いたアーティストにも物語りがあります。
肖像画のモデルになった人にも、物語りがあります。
そして、美術館にその絵を見に行った人にも物語りがあります。
その絵をオークションで落札した人にも、物語りがあります。
一枚の絵を巡って、たくさんの物語りが生まれます。
原田マハさんは、小説を通して物語りと絵を繋げてくれます。
そしてまた、美術館に行きたくなって、更に新しい物語りに出会う事ができるのです。