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人はお酒を飲むと性格が変わる。


お酒を飲む目的は何かと考えた時に、酔っていい気分になるとか、嫌なことを忘れたいとか、気分を変えたいという人が多いと思う。

他人とお酒を飲むときは、相手の普段とは違う考えや本音で話をしたいなど、コミュニケーションを深めるという目的がある。


お酒を飲むと、多かれ少なかれ性格は変わるものである。

それがお酒を飲む楽しみのひとつでもある。


性格は一つだけではない

そもそも人の性格は、一つだけだろうか。

家で家族と過ごしている自分と、会社で仕事をしている自分とは明らかに性格は違う。

会社でも上司と接している時と、部下と接している時では性格が変わる。

中には明らかに変わってしまう人がいて、評判を落とす人もいる。

小学生の頃、授業参観にきた母親に、休み時間に同級生と遊んでいるところを見られて、何故か恥ずかしい気持ちになったことがある。

これは家で家族といる自分と、学校で同級生と遊んでいる自分が違うことを自覚していたからだ。

この年になっても、家族(特に妻)との会話を、会社の上司にしても部下にしても聞かれるのは恥ずかしい。


平野啓一郎氏は、著書『私とは何か』で、分人という表現を使っている。


ひとりで考える自分

ひとりで何かを考えるとき、自分と会話をしているもう一人の自分がいることに気づく時がある。

直感的に感じた自分に対して、それで本当にいいのかと問いただす自分がいる。

例えば、洋服屋さんで服を選ぶとき、直感的にこの服いいなと感じた自分に対して、本当にその服でいいのか?と質問する自分がいる。
そしてしばらく、直感的な自分ともう一人の自分との間で議論が交わされる。

このあたりの仕組みについては、ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー』で詳細を確認をしていただきたい。


車の運転をすると性格が変わる人

普段は大人しい人が、車の運転をすると性格が変わる人がいる。

意外とスピード狂だったというだけの人ならまだ理解はできるが、言動まで変わったしまう人がいる。

漫画の『こちら葛飾区亀有公園前派出所』に出てくる本田早人を思い出す。

本田早人は、バイク乗っている時と、バイクを乗っていない時の性格が180度違う。
そのギャプがたまらなく面白い。

人にはドレス効果というのがある。

女性がドレスを着ると、お姫様の気分になる効果である。

警察官や消防士が制服を着ると、普段より勇敢になるらしい。

車を運転するとドレス効果が働き、多少はみんな性格が変わるようである。

お酒の嗜み方

人の性格はひとつだけではないということと、お酒を飲むと性格が変わるということを自覚してお酒を飲まなければならない。

瀬戸内寂聴さんは、ラジオ番組で酒品(しゅひん)という言葉を使われていた。

瀬戸内寂聴さんは、お酒が大好きだった。

僧侶はお酒を飲んではいけないという戒律があるが、お酒のことを般若湯(はんにゃとう)と呼び名を変えて飲まれているようだ。


酒品とは、お酒を飲むときの品格のことである。

酔っ払っても他人の悪口を言わない。

暴れたり、下品な態度を取らないということ。


お酒の席でのハラスメント

当然ではあるが、プライベートなお酒の席での部下への言動もハラスメントの対象になる。

お酒を飲むと誰でも性格が変わるということを考えると、部下とお酒を飲むことには大きなリスクがある。

この際ではあるが、ハラスメントのリスクを軽減するためにも、また健康のためにも禁酒が一番である。






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