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【読書】門井慶喜(著)『家康、江戸を建てる』第二話:金貨を延べる

門井慶喜(著)『家康、江戸を建てる』の「第二話:金貨を延べる」を読み終えました。
この物語を読んでいて、田内学(著)『お金のむこうに人がいる』という本のことを思い出しました。

お金とは一体何なんだろうと、改めて考えさせられます。
物々交換をするよりも、お金を使った方が便利なのは確かです。
お金は、便利に使うための一種の道具のようなものであった筈です。
それが気がつけば、お金を増やすことが目的になってしまっていることがあります。
お金を持っているということは、将来できることの権利を得ているということです。

また、お金はいろんなものを測る単位というか、基準のようなものにもなっています。企業の大きさを測るものの一つに、売上高だとか、資本金だとか、お金の単位で表したりします。
お金に換算すると、どれだけ得をしたのか、どれだけ損をしたのか考えやすくなります。ややこしいのは、お金の価値が変動するということです。
価値と言っても相対的な考えであって、物の価値が上がれば、お金の価値は下がるという関係が成り立っています。

江戸時代に、日本の貨幣は統一されましたが、世界の貨幣は統一されていません。
日本の戦国時代末期から江戸時代に、貨幣の覇権争いがあったように、世界の覇権争いが続いています。

最近では、仮想通貨や電子マネーなど、貨幣のデジタル化が進んでいます。
2022年の日本国内の貨幣の製造枚数が、ピーク時の9割減っているらしいのです。9割に減っているのではなく、9割減っているのです。
現物の貨幣自体が、将来なくなる可能性が十分あり得ます。正に、キャッシュレスの時代です。
100年後の歴史小説には、貨幣があったということが、物語りになっているのかも知れません。

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