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読書日記⑯我が家のヒミツ/奥田 英朗

こんにちは。

読んだのに紹介できていない本がいっぱい。記憶があるうちに早く書かなきゃと思うんですが、どんどん時間がたってしまう。

これも少し前に読んだ本なのですが、紹介します。

①我が家のヒミツ/集英社/奥田 英朗

職場の歯医者に現れたのは、大ファンのピアニスト。彼の正体と虫歯であることは私だけが知っているヒミツー(虫歯とピアニスト)。同期のライバルと競ってきたが、ついに戦いに幕が下ろされた。自分はトップの座を得ることができなかった、その喪失感を描いた「正雄の秋」。家族の中で自分が抱えるヒミツや、隠してきた思いにそっと触れる、5編の短編小説。

奥田先生の家族シリーズ「家日和」「家族の問題」につづく第3段。このシリーズは、毎回最後に小説家大塚康夫と妻を描いた「妻と○○」という話があるが、今回もありました。前にこれは奥田先生の話?とnoteに書いたやつですね。でも調べてみたら奥田先生の配偶者情報は分かりませんでした。どちらにせよ、すごい想像力!

今回は「我が家のヒミツ」とあるように、同期に負けた気持ち、子どもを持てなくて抱える気持ちなど、家族であっても言えない色んな秘密があって、他の家族シリーズよりも心の葛藤とか、ぐっとくるものが多かったです。

特に好きなのは同期の戦いに敗れた「正雄の秋」かな。奥さんの慰めも効かないほど、ずっと頑張ってきたのに報われなくて悲しい気持ち、なんか主人公が若くないからこそ、切なくなります。

「お父さんは、割と出世が早かったんだ。所長にも同期の中でも一番早くになった。でもその後あまり上に上がれなくてなぁ。それから色々合ったけど、定年してからは部下もいなくて気楽なポジションよ。」前に父がこう話していた時がありました。あっけらかんとして、とくに悲しそうでもなかったけど、もしかしたら自分の父にも葛藤があったのかな。だったら「お仕事頑張ってくれてありがとう」くらい言ってあげなきゃな。

「我が家の問題」と「我が家のヒミツ」は過去にBSプレミアムでドラマ化されていたみたいですね。確かに、奥田先生の家族シリーズはそれくらい面白い。もっと読みたい~、のに家族シリーズはこれで終わりなんだよなぁ。。次回作でないかな。

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