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勉強嫌いな生徒との付き合い方③

今回は「授業をする上で注意する言葉遣い」について書いていきます。

新人講師の研修を担当していたころに、強く伝えていたことがあります。
その意味と、使ってはいけない言葉の言い換えについて紹介していきます。

~否定語は絶対に使わない~

塾業界では「お父さん・お母さん」という言葉を使わないようにする、という暗黙の了解があります。
これは、片親の家庭に配慮したものであり、「親御さん」と言うように指導されていました。
これももちろん大切なことですが、僕が最も気を付けていたのは「否定語を使わない」ということです。

一番わかりやすいのは、生徒を指名して問題を解かせる時。
例えば「正方形の内角の和は?」と聞いて「360度!」とすぐ返ってくるならいいんですが、わからない子も当然います。
わからなくて悩んでいるようならヒントを出していけば良いのですが、「300度!」など間違った解答をしてしまった時、とっさに「違うよ」と言ってしまうのではないでしょうか。

間違いを気にしない子ならそれでも良いと思いますが、この「違う」という一言だけで委縮してしまってさらに勉強が苦手になってしまう子も結構います。
最悪の場合、僕と会話をしてくれなくなってしまいます。
それを防ぐためにも否定語は決して使ってはいけません。

僕はこういう時、どれだけ外れた解答であっても「惜しい!」と言うようにしていました。
不正解であることに変わりはありませんが、「違うよ」と「惜しい」という言葉では受け取る側の気持ちがだいぶ違うのではないでしょうか。

勉強嫌いな子が、嫌いだけど一生懸命考えた答えに対し「不正解だけど、近いところまで来てるよ。あと一歩のところまできたね」とポジティブに受け取れる言葉を使うことで生徒のモチベーションを上げるようにしていました。

この言葉以外でも、何かを否定するような言葉は極力使わないようにすることで、気持ちを削がずに授業を行うことができました。

次回は、僕が常に心に留めていた「講師としての心構え」です。

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