短時間で生徒の記憶に残す方法
はじめに
「閑話休題:僕の授業スタイル」において、実際に勉強を指導している時間は10~20分程度と書きました。
これを見たら当然「そんなので身につくの?」と思うことでしょう。
というより未だに僕もそう思ってます。
中学生の頃に受け持ち、高校生になってから再び僕の指導を受けたいと戻ってきた子がいました。
ある日この生徒に対し教室長が「T先生の授業って何がすごいの?」と聞いたことがあります。
その時の生徒の回答は衝撃的でした。
「なんでかわからないけど、その10分で話す内容がすんなり頭に入ってきて一気に理解できる。だから忘れないで覚えられる」
実はこれ、僕が探求してきた指導法の終着点を表した言葉です。
説明方法と板書、これが重要です。
〇説明方法
人間が集中できる限界時間は短く、訓練しても30分程度だと聞いたことがあります。
だから僕は一日の指導内容をすごくまとめて話すようにしていました。
究極まで無駄を削ぎ落した状態です。
問題を解かせて解説するのはアウトプットとしてとても大事ですが、何より基本を覚えなければなりません。
だからまず一番の要点だけをとにかくわかりやすくなるよう説明していました。
〇板書の書き方
板書にも気を使っています。
指導法を色々模索していた時、とあるサイトで
「板書はその日の内容を小さくまとめたものを書けばいい」
という記述を見つけました。
例えば中学数学の因数分解なら、因数分解の公式数パターンをまとめて書くだけ。
板書はこれだけです。
長々と板書を書いても、勉強が苦手な子はまず写しません。
写さないし、写させても見返すことはありません。
それなのに何行も板書を書いて「これ覚えて」などできるわけがないと思いますし、覚えきれません。
とにかく第一に覚えてほしいものだけを書いて「今日はこれだけでいいから」としてしまうことです。
この方法が一番力を発揮する瞬間
上記の方法は、通常の授業ではもちろんのこと、体験授業で最も効力を発揮します。
体験授業は塾としても大事な勝負時であり、任される講師は責任重大です。
そこで入塾を決意させ、さらには「体験授業の時の先生でお願いします」なんて言われたら、講師としての腕も大したものではないでしょうか。
塾での評価も上がるでしょう。
体験授業のわずか1回、2回の授業で一気に惹きつけるにはやはりこの方法です。
要点をまとめた板書をパッと書き「今日はこれだけ覚えればいいよ」とする。
これの何がすごいのかと言うと、生徒が帰宅したときです。
生徒が帰宅したら、親御さんからまずこう聞かれるでしょう。
「今日どんなことをしたの?」
授業であれやこれや、いいところを見せようと手を出し過ぎてしまうと、生徒はこの質問に対してすぐに答えることができません。
そうすると親御さんは「何を学んできたの?」となるでしょう。
しかし要点だけズバッと説明してみせたなら、生徒は自信をもって
「今日は英語の現在進行形を習ってきた!」と答えるでしょう。
これを聞いた親御さんは「この塾なら任せられる」となります。
生徒も覚えることが少なく頭に入りやすい、さらに親御さんの信頼も獲得できる。
まさに一石二鳥の方法ではないでしょうか。
説明や板書例等は・・・いずれ需要があれば上げてみようかと思います。
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