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心地よい日本語

こんにちは。NPO法人マルイ・エンゲージメントキャピタルの拠点
Ziba Platformです!
まちライブラリーZiba、おすすめの本のご紹介もVol.24となりました。
今回からタイトルをおすすめの本のタイトルにちなんだものに変更します!

心地よい日本語
著者:金田一秀穂
発行:株式会社KADOKAWA

この本は「毎日が発見」という雑誌で2004年から2011年まで連載されていた金田一秀穂氏のエッセイ。
改めてかくも美しく難しい(めんどくさい?)日本語や日本の文化、日本人のものの考え方に思いを馳せることができる一冊。

私たちは普段何気なく「日本語」を使っている。
それは学校で教わったもの、家庭で身についたものをベースに
テレビや友人や知人と接しながら得た知識を上乗せしながら
いつの間にか「正しい日本語」「美しい日本語」の概念もできてきた。

言葉は「正しく」使うのがいいに決まってる。
そう思ってしまいがちだけれど、現実には言葉は日々進化し
文化が変わると言葉も変わり、流行によって言葉も進化する

「正しさ」も時代で変わっていく

第一章の【新しい言葉や用法の分析】では、
私が気になり耳につく言葉たちが登場する。
でも、金田一氏言うところの「っす」が「です」なら
「やばいっす」「きもいっす」も日本の謙譲の美徳を表すのか。

「こちらナポリタンになります」「お釣り560円になります」
まだなっていないのか?
これからなるのか?
と毎回思うけれど、
これが現代の日本語。

「あざっす」が丁寧に言い換えられて「あしたっ」になっても
どちらもお礼には聞こえない。
言葉は進化に伴い、どんどん短くなる

ここ数年、その年の流行語を目に耳にするたび、
取り残されていく自分がいる。

「全然いい」に違和感を抱くのは昭和の国語教育を受けた人みんな
ではないかと思う。

第二章では、もうあまり使われることのない言葉たちに
懐かしさといとおしさを感じてしまう。

電話のダイアル、テレビのチャンネルをまわすレコード、そしてB面
ではなくカップリング!
それでも根強く粉でもない「歯磨き粉」は生き残っている。

第三章では熟語についての再熟考、金田一氏のエピソードも交え、
楽しく読める。

最近では「棟割長屋」「気色ばむ」「北叟笑む」「荒物屋」に語釈がついているという。

第四章は、「会話の言葉に耳を傾ける」として、相手を気遣ったり慮ったりする言葉や、すれ違いざまに聞こえてきた会話から、「心が動いてしまう」日本語を知る。

日本語だけでなく、日本人のものの捉え方も考えさせられてしまう。

文化が言葉を創っていくことを再認識する。

30年後ぐらいには、どんなことばが「心地よい日本語」
になっていくのだろう、この本を読みながらふと考えました。


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