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みーにんによる推薦図書10選 2

 今回は前回のこの記事の続きである。

 前回は2冊の本を紹介した。
 今回も2冊の本を紹介する予定である。

3 『痛快!憲法学』

 この本は「憲法」について書かれた本である。
 ただ、この本が憲法の条文解釈や憲法判例について書かれた本かと言えばそんなことはない。

 この本は、「憲法学の背景知識」について書かれた本である。
 具体的には、次のようなことが書かれている。

・西洋史について
・民主主義と資本主義の背景にあるキリスト教について
・(西洋における)契約について
・議会について
・民主主義について
・経済、及び、資本主義について
・平和と戦争について

 範囲は多岐にわたる。
 それについては、本文で次のように書かれている。

(以下、『痛快!憲法学』の4ページ、5ページより引用、強調は私の手による)
「憲法を語る」とは、すなわち人類の歴史を語ることに他なりません。憲法の条文の中には、長年にわたる成功と失敗の経緯が刻み込まれているのです。その長い物語を解き明かすのが憲法学なのです
(中略)
 読者の中には「法律の本なのに、どうしてこんなに西洋史の話が多いのだろう」とびっくりされる方も少なくないでしょう。それどころかキリスト教や旧約聖書の講義までで出てくるのですから、ますます仰天するに違いありません。
(中略)
 これら2つ(私による注、憲法と民主主義のこと)は近代欧米社会という特殊な環境があって、はじめて誕生したものですから、憲法を知るには、欧米社会の歴史と、その根本にあるキリスト教のりかいが不可欠なのです。
(引用終了)

 私がこの本を勧める理由は2つである。
 一つは、憲法の背景について知ることができること。
 先に述べた通り、この本は憲法の条文解釈や憲法判例に関して書かれた本ではない。
「なぜ憲法があるのか」、「憲法の背景に何があるのか」について書かれている。
 よって、この本を読むことで、「憲法とは何か」、「憲法の背景に何があるのか」について知ることができる。

 そして、私がこの本を勧める2つ目の理由は、「平易な文体」で書かれていることである。
 そのため、非常に分かりやすい。
 もっとも、この本が教えてくれるのは正解を導くための前提であって、正解そのものではないが。

 私は「憲法を知りたい」と言った人には間違いなくこの本を勧める。
 それぐらいの名著である。

 もっとも、『痛快!憲法学』、入手困難になっているようである。
 そこで、代替案として次の本を勧めたい。

 また、私は理系の人に小室直樹先生の複数の著書を勧めたい。
 理系の人間が文系の学問の知識を知るうえで非常に有益だからである。
 具体的には、次の本がお勧めである。

 前者は経済学を知るうえで役に立つし、後者はイスラム教を知るうえで役に立つ。
 というわけで、時間がある方は是非手に取っていただきたい。

4 『現代語訳 学問のすすめ』

 福沢諭吉が書き、明治時代のベストセラーになったと言われる『学問ノススメ』。
 この現代語訳版である。
 そのうち、私が持っているものがこれであるというべきか。

 この本、「学問の大切さ」を説いていることは間違いない。
 しかし、この本に書かれていることはこれだけではない。
 ここで述べられていることは結構多岐に及ぶ。

 せっかくなので、目次の項目を見てみよう。

(以下、『現代語訳 学問のすすめ』の6ページから引用)
初編 学問には目的がある
第2編 人間の権理とは何か
第3編 愛国心のあり方
第4編 国民の気風が国を作る
第5編 国をリードする人材とは
第6編 文明社会と法の精神
第7編 国民の二つの役目
第8編 男女間の不合理、親子間の不合理
第9編 よりレベルの高い学問
第10編 学問にかかる期待
第11編 美しいタテマエに潜む害悪
第12編 品格を高める
第13編 怨望は最大の悪徳
第14編 人生設計の技術
第15編 判断力の鍛え方
第16編 正しい実行力をつける
第17編 人望と人付き合い
(引用終了)

 目次を見ると、学問以外のことにも結構触れられている気がする。
 そのため、この本は単に学問に励むだけを勧めているわけではない。

 私がこの本をよいと思うところは2点ある。

 一つは、文章が読みやすいことである。
 元の文章がこうなのか、あるいは、訳者である斎藤孝氏が素晴らしいのかこの現代語訳は非常に読みやすい。
 なので、この本(の現代語訳)をお勧めする。

 もう1点は、福澤先生の毒舌(!)が面白いことである。
 本文では、福澤先生にバッサリ切られている部分があるが、その切り方が面白いのである。
 その部分だけでも見てほしいように思う。

 以上、私の推薦図書4冊目はこの本を挙げる。

 ちなみに、私が福沢諭吉先生の文章で好きなものとして、『瘦我慢の説』というものがある。

 なお、私が現代語訳として最初に読んだのは次のURLのものである。

 こちらも是非お勧めしたい。


 ・・・と2冊紹介したところで2000字になってしまった。
 というわけで、続きは次回にて。

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