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認知障害?...89歳の母とのビデオチャット

私の母は年が明けると1月で90歳
離れて海外に住み始めてから
最初の10-20年くらいまでは
おかしなもので
日本を出た時のままの記憶が残っていて
年に一回くらいは会っているものの
私の中の母は40代、せいぜい50代前半くらいのイメージでした。

未だに自分があの頃の母の年齢を超えているという自覚もなく(笑)
ずっと、不出来な娘のままで来ています。

70代半ばに差し掛かった母が
「今日バスの中でお婆さんに席を譲られて驚いたわー!」
などと言っているのを聞いて
「あんたがお婆さんやっ!」
なんて突っ込みつつ、笑っていたのですが
流石に最近は私も、その頃の母の気持ちがよくわかる(笑)

離れて暮らしている私とメールのやり取りがしたい一心で
60代で父に内緒で携帯を手に入れて(笑)
その後パソコンを買って
Skypeでビデオチャットを始め
今ではスマホでLINEのチャットを
息子や娘、孫たちとやりとりしている彼女を
自分の母ながら
「かなり驚愕の89歳!」と尊敬しています。

自宅で何の生活支援も受けずにひとりで暮らし
自分の姉や義妹の病院や介護施設に
毎週のように届け物をしたり
私にも定期的に日本のサプリやら本やら箱に詰めて送ってくれたり
家族や親戚の面倒までみていたのに...

今年になって
転んで胸骨を骨折
その上に脊柱管狭窄も一緒に起こってしまったようで
自力で立って動いたりできなくなり
介助が必要になってしまいました。

そして、病院での入院生活と介護施設での生活が4ヶ月目に入った最近
調子はどうですか?という私のLINEメッセージに
「自分の家の間取りや電話番号が思い出せなくなっちゃった!
記憶力がすっかりなくなり、いろいろなところに障害が出てます。」
と返信が来ました。

施設の手続きや保険に関することなどは
近くに住んでいる弟が入院以来見てくれているので
任せっきりでそれほど心配してはいないのですが

母は私や弟や孫たちをフォローしていた
インスタやFacebookのアカウントにも
ログインできなくなってしまったようで
パスワードが思い出せないだけでなく
アプリやチャット履歴を間違えて消してしまったり(苦笑)

以前にもアプリを消してしまったり
パスワードが分からなくなるようなことはあったのですが
そんな時は携帯のプロバイダーに直接持っていって
質問したり復元を助けてもらって解決していたのに
身動きの取れない今はそれもできません。

ビデオチャットでこちらから助けようとしても
説明したことを理解するにも
できるのにも時間がかかってしまうので
やっているうちに疲れたり、混乱したりしてしまい
なかなかリモートで解決するのは難しく
母の困惑と苛立ちも伝わってきます。

多分まだ認知症というレベルではなく
老年性の記憶障害というくらいのところだとは思うのですが
それにしても、本人としては
記憶がなくなっているとか
頭がおかしくなっているという
気持ちが強くなってしまっているので
私の方は
このまま鬱状態になってしまうのではないかということの方が心配です。

私は小さなビジネスを自宅で廻していて
ひとりで全部やっているので
普段の生活は自由な代わりに
家を長期で空ける自由が利かない
お勤めなら休暇を取れば1−2週間お休みできるのにと
こんな時、すぐに駆けつけられない距離はもどかしいです。

と、ここまで書いて
何の為の仕事
何の為の今の生活なんだろうかということに気がつき
仕事をほったらかして1週間だけでも
何なら数日だけでも帰国してしまおうかと考えたのですが
介護施設に問い合わせたら
今は直接の面会は許可されていないとのこと(汗)

「相談室で窓越しに顔を見ながら電話で10分までの会話が可能です」
しかも、「利用できるのは各利用者月一回まで」ということで、
こちらの諸事情を強行突破して日本まで行って1週間滞在したとしても
一回だけ、10分だけしか顔が見られない。
しかも、母の携帯を取り上げて
パスワードや設定を修理してあげることもできない。。。涙

電話で10分話すだけなら
今できているLINEのビデオチャットと変わらない
というか、ビデオチャットの方がむしろゆっくり話せる(苦笑)

仕方がないので、
もう少し第9波が落ち着くまで
しばらくはいつもより頻繁にLINEで交流して
様子を見つつ待ってみようかと思い止まりました。

昨日のビデオチャットでは

  • 難しいことは尋ねない

  • 少し話が通じなくても深追いして質問しない

  • わからないと言い出したら話題をそらしてひ孫の写真を送って見せる

などど、工夫して話したら
最後は穏やかに切ることができて

私が会話のコツを掴んで話していれば
少しは助けになるのかもしれないと感じることができたので
これから、母との接し方について
もっと勉強していこうと思います.。

友人たちが親の介護のためにと言って
ひとりふたりと
ここでの生活を諦めて帰国していく中
ある程度の覚悟と準備はしていたのだけれど
とうとうこの時が来てしまった...

今までに親のための里帰りは
数年前に母が膝の手術をした時くらいで
その際も、リハビリまで全て病院でして貰えたので
入院先に顔を見せるだけで
何の面倒も見なくて済んでいて
何回も転んだり、事故に遭っても骨を折ることもなく
なんて頑丈な有り難い母親なんだろうとずっと思っていました。

こうして介護施設に入っても
スマホでビデオチャットができる89歳
顔が見れるだけで随分安心できるし
丈夫で自立心の強い母には
本当に頭が下がります。

娘があまりに勝手なので
自立心が強い年寄りになったのか
こんな母親に育てられた娘だから
結婚もせずにいつまでも我儘なまま
こんなふうになってしまったのかはわかりませんが(苦笑)

まずは、なによりも
ありがとう💌



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