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つまりあなたは、僕の生きる光


はじめましてなので、自己紹介を兼ねて。

わたしには「推し」がいる。

「LEGO BIG MORL (レゴビッグモール) 」という
関西出身の三人組のバンド。
(数年前にドラムが脱退して三人組になった。
今は先輩のバンドマンがサポートに入っている。)
メンバー全員がすらっと細長くて
使い方があっているのかどうかは分からないけれど、
「しゅっとした」おじさんたちのバンドである。

わたしが彼らと出会ったのは
「推し」と言う概念がなかった高校生の頃、
クラスでも音楽好きとして有名な女の子から
「あのね、今のあなたにぴったりの曲があるの」と
銀色に光るCDを渡されたことがきっかけだった。

それまでバンドというものにはそんなに縁もなく、
別段興味があるわけでもなかったので、
「うん、ありがとう、聞いてみるね」と
当たり障りのない返事をして
タワーレコードの黄色い袋に入れられたCDを家に持ち帰った。

それなりに忙しい部活に所属していたので
そこそこへろへろになって帰宅し、
「いざ再生!」と、プレーヤーにCDを差し込んで
流れてくる音楽に耳を傾けた。

聞こえてくるのは馴染みがないバンドの音。
正直、声質とかメロディとかの良し悪しも分からない。
楽器の上手い下手なんか、余計に分からない。

そうだ、歌詞だ。
この人たちは何を歌っているんだろう。
そう思って、歌詞カードを見ながら聴くことにした。

「あ、なんか、好きかもしれない」

そう感じながらも、まだまだ馴染みのない音楽を聴き進めた。


「聴いて欲しい曲があるの」

そう言われた7曲目。
「Ray」という曲。


すべての意味があなたになるように歌にしよう
この感触も このコードも この甘味も 色も 匂いも



歌い出しでわかる。
めちゃくちゃラブソングじゃねぇか、と思った。

というのも、当時わたしは同じクラスの男の子に片想いをしており
その子はそのことと、その相手を知っていた。
わたしが告白すべきかどうするべきか、
それなりに悩んでいたことも、知っていた。


当時好きだった男の子、Yくん。
おとなしくて、穏やかな雰囲気なのに、たまにドSっぽい。
勉強ができて、バスケ部、身長は170cmくらい。
そして、ONE PIECEのチョッパーが好きな男の子だった。

まぁ好きになった話しとかは、おいおい。
とにかく好きだった。つまりは青春していた。

「誰かに盗られてしまったらどうしよう」
「告白して失敗したらどうしよう」
そんなことを考えていたら、
告白もできずに数ヵ月が経っていた。


そんな中で聴くRayは、
わたしの心に突き刺さった。

わたしがこの曲の特に大好きな部分は
ラストのこの詞。


弱い僕はあなたのいない世界を生きる自信はないの
だからせめて先に死なせて

強いあなたは言うでしょう
「そんなこと言うんじゃないの」
つまりあなたは僕の生きる光



ただのメンヘラじゃねぇか、
そうお思いになりますかね。
えぇ、わかりますよ、わかりますとも。

自分だけが生きていても、あなたがいなければ
この世界には何の価値もないんです。
だから、あなたより、先に逝きたいんです。

何より「そんなこと言うんじゃないの」という表現が
(本来は女性から男性へ向けて放った言葉なのだろうけど)
Yくんみたいで、一気に大好きな曲になった。


その後、めでたくYくんとはお付き合いをすることになったのだけれど
その話も、ここでは割愛しておきます。


それから何年経っただろうか。
気づけばわたしはまだまだ
LEGO BIG MORLの音楽を追っている。

「つまりあなたは 僕の生きる光」

この言葉は、今のわたしにとって
LEGOのことなんだろうなと
これを書きながら思う。













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