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心中譚

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歪な迄に一途、粗の異質な愛は不実
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#花

美花凋落

美花凋落

 後朝、菊乃は政之助を大門まで送り届けていた。
政之助さん、どうぞ又来ておくんなんし……と甘い言葉と腕を絡められ、政之助は満足気であった。
「なあ、お菊。お前、こんな所――颯々と出て行っちまいたくねエかい」
こんな所、で妓楼を仰ぎ見、政之助は尋ねた。
「何を……おっしゃいんす、政之助さん。わっちは籠の中の鳥――外を夢見るなんて、疾うの昔に諦めてござりんす」
眼を伏せ、本の少し力ない笑顔を向ける。其

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