自公政権を支持する若者は、自分は勝ち組にいると思っているのだろうか

参院選が近づくにつれ、いまの日本の政治の状況に危機感を募らせているのは、私だけではないと思います。

今回、山本太郎氏が立ち上げた「れいわ新選組」がネットではなにかと話題ですが、9人の怒れる当事者を集めた山本氏の人選は新鮮かつ大胆で、賛否はあるものの、私としては「れいわ新選組」を推し政党にしております。

いまの20代世代に「政治に関心をもて」というのは、まったく関心を持ってなかった自分の20代を省みると説得力がなく、非常におこがましいのですが、「自分の将来がどうなるかが関わることだから、ぜひ考えてみて」とは老婆心ながら言っておきたいのと同時に、最近お話した20代の方のうち、二人が「安倍政権支持」だったので、それについて、思うところを書きます。

安倍政権支持の20代に支持理由を聞いてみた

まず、その「安倍政権支持」のお二人は、とてもクレバーで、人柄もよく、「若いのにほんと立派ねえ」と思える人物です。そんな二人が安倍政権を支持する理由は別々で、一人は「大学生の就職活動がうまくいっているため」、もう一人は「日本の成功している経営者は安倍内閣を高く評価しているため」という理由を、語ってくれました。もちろん、これはいくつかある要素の一つであり、他にも理由はあると思います。

ここからは私の私見となります。まず、若い世代が安倍政権を支持する理由としては、なんとなく、「世の中の経済が回っているように思える」という漠然とした安心感があるのかと思いますが、これは、「ああ、ごめんね、いまの20代は不遇なデフレ時代しか知らないから、繁栄している状態という経験がないのだなあ」と、私は感じました。

つまり、ずっと不遇な状態なので、これが「安定」と勘違いしている。バブル世代を一瞬でも省みた、ロスジェネ世代の私たちとは、根本的な感覚が違うのです。

また、「就職できる」ことがまず目的だった大学生にとって、「就職した後の地獄はまだ見えてない」という点も大いに関係あると思います。就職しても会社のやり方に合わず、また、給与の低さに我慢できず、1年で会社を辞める若者が増えています。「就業時間が長いにも関わらず、十分な手取りがもらえない」。そんな不満の声を、私も間近で聞いています。しかもそこに税金、奨学金を申請していた人なら、奨学金の返済が加わり、いつまでたってもお金が貯まる気配がありません。

さらに、結婚して子どもができようものなら、女性は大企業でないとなかなか手厚い福利厚生が用意されてませんし、保育園が決まらない限り、職場に復帰というわけにもいきません。

就職状況がいいからって、その先の現実がいいわけではないのです。

一部の経営者だけが支持する政治があなたのためになるのか

では、成功している経営者が支持しているから、安倍政権は素晴らしいのか。という点について私の思うところを述べます。

成功者が安倍政権を支持するのは、利権にからんだ不公平な政治を行っている結果であり、そもそも「勝ち組」というカテゴリーがまかり通るような世の中は、異常であると。

また、本当に成功した企業であれば、納税による社会貢献というものが必須であるのに、自分の目先の利益にだけ目がくらんで、世の中に富を還元させない経営者は真の成功者ではない。

そんな人間が経営する大企業に奴隷のようにしがみついて、組織票を考えなく投じる立場の人間は、いつだって切り捨てられて、使い捨てされる可能性があるのです。本当に、自分の将来を守りたいのなら、どんな状況になっても助けてくれる、社会のセーフティーネットが必要なんです。

自分の意思ではなく、大企業の言いなりになって、自公を支持する行為は、自分も保証される側にいる、いわば、社会的に「勝ち組」と言われる側にいると思いたい自分の幻想を、確信したいがための保身からの支持であると思います。

でも、実際に社会的な立場を確立していない若者なんて、今の状況ではいつだって使い捨てにされる駒でしかないのですよ。

一部の大企業だけに向いた政治は、一生一個人のほうを向くことはありません。もともとそのヒエラルキーの上部に入っていない若者は、ただの税金の搾取対象にしかすぎないのです。

そんな絶望的な状況だから「Youtuber」になって一発逆転したいという、夢を抱く若者が増えているのもなんとなく理解できる気がしますが、一番現実的に今の状況を改善させるには、いまの政治がおかしいということに、気づいていただくことがまず一番かなと。

この先歳をとり、病気を経験する人も多いと思います。成功者が支持する社会よりも、自分に何があっても保証される社会を、目指すことを本質として、若い方は今一度、政治を考えてみたらいいんじゃないかなと思います。




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