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「コントが始まる」が終わって

テレビの時代が終わった。なんて言われながらもYoutuber世代ではない自分は毎週土曜、楽しみにしていたドラマがあった。

「コントが始まる」(https://www.ntv.co.jp/conpaji/

菅田将暉主演、同世代の実力派俳優たち(俳優声優ともにマルチにこなす神木隆之介、今日から俺は!で強烈な面白かっこよキャラを演じた仲野太賀)が周りを固め、完璧な布陣のキャスト。(後述するが特に仲野太賀が良かった)ヒロインには有村架純。

お話の内容はざっくりと。
売れない芸人トリオ「マクベス」の解散までを描く話。解散までのいろいろな葛藤を乗り越え彼らはどんな人生を歩んでいくのか…という内容である。

自分の伝え方もあるが、こんな内容で果たして面白いのか?今イケイケの菅田将暉を主演にすればなんでもヒットするんじゃないか?そんな感想を抱いた方もいるであろう。

ただ、全くそんなことは無かった。一人一人の成長を描いて上手くいかない人を描いていく平凡な人々への共感性。そんなポイントが要所に散らばっていたドラマであった。

なぜそんな共感できるのか。それは
人生が上手くいかない人たち
を描いているからであると感じた。

今までのドラマは「売れない芸人が一流になるまで!」や「モテない私がこんなことをきっかけに状況が一変!」など非日常的なものが多いと感じていた(漫画原作などが多いのでしょうがない部分はある。それはそれで内容は面白いし)

ただ色んなことで悩んでいる人が自分視点で見れるドラマなのではないかと感じられた。

夢を追いかけ「まだ終わっちゃいない!まだまだやれる!」と思いながらどこか諦めている自分や仲間がいる。やりたいことを諦める勇気がない。慣れ親しんだ環境から離れるのが怖い… などなど色んな人が共感できる想いがあり、それぞれのキャラクターが悩みを抱えていて「視聴者が共感できるキャラクター」が存在している。

菅田将暉さんの役「高岩春斗」も共感性が高かったが、自分は仲野太賀さんが演じた「美濃輪潤平」がとても良かった、すごく良かった。

潤平には高校から付き合っている彼女がいて、キャリアウーマン。収入も無い芸人をやっていることが少し引け目に感じてしまっていていること。自分が相手に不釣り合いなんじゃないかと感じる部分がある。結婚も考えており、将来に不安を感じている。というまぁ共感できる悩みを持っているのである。

そんな彼らが、自分の考えがまとまらず仲間と衝突しあい、その中で仲間の想い、自分の想いに気付いていき自分自身の道を見つけていくのである。
(一番好きなシーンは春斗が初めて解散を告げるラーメン屋のシーン。笑いながら「大事なことはラーメン食べ終わってから言うよな…」と爆笑していたのに急に涙流すシーン。仲野太賀さんの演技が驚愕してしまうものであった…)

上手くいかない日々をもがきながら自分自身の答えを導き出していくキャラクター達。
ドラマだからと言って綺麗に描かない部分に好感が持てたのである。「あぁ、この気持ちわかるわ…」というようなドラマなのである。

主題歌「愛を知るまでは」(歌:あいみょん)にもあるよう
『誰にも無いものを持っていたいよな』
出演者たちがきっと思っていた心を反映した主題歌もぴったし。

いろいろな人生の分岐点が増えてくる20代後半の自分には久しぶりに心を持っていかれた作品でした。
あんな仲間が欲しかったなぁと思わせる作品。きっと上手くいかなくたって人生は進んでいく。そんな現実を見せてくれる作品。

出会えてよかった作品でした。
皆様も気になったら是非。


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