見出し画像

その研修、「成功」と言える?Kirkpatrick's Evaluation Model

評価ってなんで大事なの?

「評価」。

最も重要だけど、

敬遠されがちで「ニガテ」と思われがちな

えばりゅえーしょん、というやつです。

どんなにいいプログラムでも、研修でも、

「結果」がついてこなければ全く意味がない、waste of money 金の無駄、とバッサリいわれてしまうほど、

ビジネスでは「評価」しか見られません。

授業で頻回に繰り返されていたのは

 Learning is not the goal, it is a method to reach the goal.

つまり、学びはゴールに到達するための手段でしかなくて、ゴールではないということ。

これを聞いたときにはハッとしました。

私は「看護師のための教育がしたい」という思いでこっちに来たけど、

それがゴールになってしまってはだめだ、と

もう一度自分の目的を見失わないようにしないと、と背筋が伸びました。

一時帰国の飛行機のなかで一気にこちらを読了しました。

ここでも立教大学 中原淳先生は繰り返し、このように述べています

私たちが追求すべきは「学ぶことをそのもの」だけではなく、「実践されること、成果を生み出すこと」なのです。

そして今回のnoteでご紹介するKirkpatrickも、こちらの本の第一部でめちゃくちゃ詳しく紹介されています。

詳しく知りたい方はぜひご一読ください!良書です。

唯一無二の評価モデル、Kirkpatrick's Evaluation Model

組織の評価といえば Kirkpatrick's Evaluation Modelというくらいだそう。

私の教授いわく、このモデルをだすと「けっ、まーたカークパトリックかよ、へっ」というイメージだそうです。なんでなんだろう笑

でもそれくらい、鼻で笑われても結局組織がこのモデルを使うのは、これに勝る評価モデルが存在しないから笑

この方が David Kirkpatrickさん。

画像1

あれ、、、

なんだか、既視感ある・・・・


そうだ!!!!

これだ!!!!!!!!


画像2

そう、あのケンタッキーのカーネルサンダース!!!

こんなこと言ったら怒られてしまうかな笑

でもなんど見比べてみても似ている。兄弟か?

見分け方はひげがあるかないか。

だから今回のトップ画像はケンタッキーにしてみた笑

では、彼がいったいどんなモデルを提唱したのか振り返ります。

カークパトリックは「4段階」に評価基準を設けました。

① レベル1 学習者の反応

これはよくあるプログラムやセミナー修了後の「満足度」などをはかるアンケートなど。

学習者がどんな風に思ったか、なにを考えたか、など。

ちなみに、補足情報としてアンケートを書くときに指導した先生あるいはプログラムのコーディネーターが目の前にいる場合は「満足度の点数は高くなる」そう。

そりゃそうですよね、教えてもらったひとが目の前にいて悪い評価は書けない笑

時間をおいて家で書いてもらうか、目の前で新鮮なうちに書いてもらうか、迷いどころです。

② レベル2 学び、理解度

そのプログラムを通してきちんと理解度があがったかどうか。

プログラム終了後の選択式などの「ミニクイズ」「ミニテスト」などがこれにあてはまります。

③ レベル3 ジョブインパクト

実際に習得した技術や知識は現場で「実践」されているか?なにかジョブインパクトは残せているのか?

わたしの専門の看護でいえば、心電図セミナーで習った知識が現場で応用できているか、というかんじ。

ただし、これは現場にまでいって確認しないといけないのでコストと時間がかかってしまうというデメリットがあります

④ レベル4 Return on Investment (ROI)

英語でまず書くと

The effects on the business or environment resulting from the trainee's performance

これは、学習者のパフォーマンスで組織やビジネス全体にどのような影響があったか、財政のリターンはどのくらいあったか、など数字で表せる結果です。

本当にゴールに達しているか?

リーダー研修でいえば、「会議をスムーズに運用する方法」のセミナーを社員が受講したとして、結果的に何分会議が縮まっているか、などを計算する。

ビジネスにリターンが返ってくる ROI が重視されます。


この Reaction, Learning, Behavior, Results (反応、学習、行動、成果)の4つの評価レベルが多くのプログラムなどで取り入れられています。

レベル1と2まではよく見かけますが、
3と4まではやはりコストと手間がかかってしまう。

でもいっちばん大事なのはやっぱり3と4なんですよね。

より深く知るために

ちなみに、飛行機で読んだ「研修転移」のなかでは、「新カークパトリックモデル」が紹介されていました。

従来は レベル①→②→③→④ という流れだったのが、新モデルは ④→③→②→① であり、レベル④の成果から研修を設計するという風に変わったそうです。

授業ではそんなこと習わなかったので勉強になったー!!

英文の参考文献もいっぱい載っていたのでゆっくり読んでいこう。

「研修」「セミナー」「勉強会」

無料のものからウン万円のものまで、世間にはたくさんの「学ぶ機会」があります。

ですが、もし高額な費用を払うのであれば、きちんと3か4まで見越されているものに参加したい、と思います。

参考文献

Kirkpatrick, D. L. (1959). Techniques for evaluating training programs. Journal of ASTD. vol.13. pp.3-9

研修開発入門「研修転移」の理論と実践、中原淳・島村公俊・鈴木英智佳・関根雅泰、2018、ダイヤモンド社



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?