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リーダーシップに求められるのはバランス感覚 ~John Adair's Action-Centered Leadership Model~

「リーダーシップ」ってなんだろう

リーダーシップ。

うん、ものすごくよく聞く、

大事だってわかる、

必要なのもわかる。

でも「リーダーシップ」ってなんだ?

前に書いた「ファシリテーターってなに?」の記事、わりと反応がよかったので嬉しい。

私の学科、Adult learning & Leadership ってとこだから、半分はリーダーシップが占めています。

そしてやっぱり、一言じゃ言い表せない。

いろんな理論家をはじめ、たくさんの方がこの「リーダーシップ」研究に携わっています。

今日はそのなかの一人、とてもシンプルで誰にでもわかるモデルをご紹介します。

John Adair's Action-Centered Leadership Model

John Adair(ジョン・アデア)さんはリーダーシップ開発の世界的権威とされている方です。リンクはこちら

この方の Action-Centered Leadership Modelというのが一番有名なモデルです。

授業で習ったとき、あまりの単純さにびっくり。

だって、これなんだもん

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ね。

びっくりするくらい、ただの3つの円。

Task(タスク) , Team(チーム), Individual(個人)と書かれた3つの円。

そう、Adairが提唱したモデルは実はこの図がすべてを表しているんです!

このバランスが崩れたらどうなるの?

このモデルの見方は「バランス」が鍵となります

リーダーシップを発揮するとき、どこに焦点をあてるのか。

バランスが崩れた状態をimbalanced focusといいます

たとえば・・・

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これは「task」に特に焦点がおかれているリーダーシップの場合。

仕事自体は片付くけれど、「チーム」と「個人」は軽視されているのでresentful (怒りっぽい)、フィードバックが少ない、コミュニケーションがない、などチームワークは皆無になってしまいます

そしてこちらは

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「チーム」の機能を重視した場合。

雰囲気最高!みんな仲良し!だれも非難されない、安心できる環境!

と良いとこだらけに見えますが、平和を求めるので議論はされなくなり、新しいアイディアは生み出されにくい環境です。

また、チームで評価されすぎて「個人」の能力は評価されなくなり、それに不満を持つメンバーもでてきてしまいます。

そして最後は

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「個人」が重視されている場合。

これはコミュニケーションはなくなってしまい、チームとしては全く機能せず、個人主義な組織になります。もはや組織、といえるのか?

また、「好き嫌い」なども関わってきてしまう。


というわけで、偏りすぎた imbalanced focus leadershipの3つのパターンをだしました。

大切なのは「使い分け」

 バランスが崩れたら崩壊するのはわかったよ、

じゃあ均等を目指せばいいんでしょう?


そういうわけにもいかないんです、、

授業で強調されていたのはこの3つの円が均等に、33.3%ずつ等しく時間が割かれる、というのがは現実的ではない、ということでした

33.3%ずつ焦点を綺麗に分けることはできない、というのはAdairももちろんそう言っていたんですね。

たしかに、そんなリーダーいたらもう神的なカリスマ性の持ち主。

じゃあどうするかというと、その必要な時々でこのimbalanced focusを使い分ける、ということだそう

大きなプロジェクトの締め切り前はチームとか個人とか言ってられない、taskを終わらせることを何が何でも優先しなきゃいけないときはもちろんあります

でも、だからといってチームや個人をおろそかにすると前述したような事態になってしまう

リーダーは task team individualをその時々で優先順位を変えながら行動にうつす、というのがこのAction-Centered Leadrship Modelだとわかりました


セオリーって理想論を言ってるだけじゃん!って思うときも正直あります。

でも、このモデルはちゃんと「そんな完璧なリーダーシップなんてないからねぇ」と語りかけてくれているようなかんじが個人的にしました。

リーダーシップを発揮する場面にあたるとき、

今この瞬間はタスクか?チームか?個人か?と優先度を見極めるのを知るだけでもかなり変わってくると思います。

Adairはおそらく今後もどこかで登場するかな。

リーダーシップ、当たり前ですが奥が深い・・・






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