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当たり前みたいな

先月中ごろ、重い物を動かして腰を痛める、という腰痛のお手本みたいなことがあり、以来週3日ペースで治療を続けている。だから、かれこれもう1ヶ月以上治療を続けていることになる。こう言うと、え、まだ腰治らないの?と感じるかもしれないが、実は整骨院にかかった際、体全体(主に背中と左半身)の硬さと歪みが尋常ではないことが発覚したのだ。このままだと必ず腰痛を繰り返すし、年を取った時にまともに歩けなくなるよと優しく恐ろしいことを言われ、頑張って体を良くしようと決意。そうして現在、足繁く整骨院に通い、腰を中心とした体の治療に勤しむ日々を送っている。

そんなわけで、今日も朝から治療に行ってきた。患部を指圧したり、曲げたり、捻ったり、電気を流したり。どうにか痛みに耐え抜き、施術スタッフのアドバイスを伺い、それではまた来週と医院をあとにする。

その足でドラッグストアに行き、必要なものを物色するも、品揃えがイマイチだったため他店をはしご。満足に買い物ができた頃にはもう昼時で、今度は昼ご飯を探すために散歩。ややパンの気分だったが、好物の焼鯖寿司の入ったお寿司盛り合わせも捨てがたい。と、さんざん迷った挙句、どのジャンルにも属さないオムそばを購入して帰った。

家の近くまで来たとき、サラダも食べた方がバランスが良いだろうと、コンビニに立ち寄る。よく買う、洗わずすぐに食べられる袋入りサラダを手に取り、何気なく商品棚を眺めていると、なんと焼鯖寿司が売っているではないか。
見た目も悪くない、いや、むしろ美味しそうだ。すぐさま、テーブルにオムそばと焼鯖寿司を並べ、それらを食べる自分を想像する。量的には食べられないこともない。でも、この2つのメニューを一緒に食べてしまうと、それらの「ありがたみ」や「価値」が下がってしまう気がした。焼鯖寿司がめちゃくちゃ美味しかったら、オムそばの美味しさが半減するような気がするし、その逆も然り。結局、この2つは別々に食べるべきなのだと購入を断念し、サラダだけ買って帰った。

家に着くと、早速レンジでオムそばを温める。その間もわたしの頭の中には、あの焼鯖寿司はつい最近売り始めたものなのか、いつまで販売しているのか、どれほど人気のある商品なのか、などの疑問が湧いて出る。
チンと加熱終了の合図が鳴り、程よく温まったオムそばを取り出す。焼鯖寿司のことは好きだが、オムそばのこともそこそこ好きだ。期待に胸を膨らませながら一口食べると、あまりの甘さに固まる。麺も、オムレツにかかったソースも、全体的に甘い。たぶん、とても甘口のソースなのだ。
たしかに、たこ焼きのソースなんかは結構甘めに作られていたりするけれど。そうか、これ、甘いタイプのソースを使ったオムそばか…と思いながら、温かいそれを食べ進める。そうしているうちに、頭の隅においやっていた「焼鯖寿司」が再び顔をのぞかせる。
甘い……焼鯖寿司……甘い………焼鯖寿司……甘い………。

完食後、水をグビグビ飲んだ。味の濃いオムそばを食べたあとの水は美味しい。そしてその頃には、焼鯖寿司は来週の昼食にしようかなと、ある程度心が決まっていた。

1ヶ月前、日常についての記事を書いた。あの頃と変わらず、わたしは今日も、不思議なほど平和で呑気な、当たり前の日常を送れている。心のうちに、あのモヤモヤはまだある。だから、改めてこの当たり前の日常にありがたみを感じた。

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