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シアターホームステイ振り返り
1ヶ月以上がたってしまいましたが、
若葉町ウォーフに!シアターホームステイに!
行ってきました!!!
写真日記と一緒にシアターホームステイを振り返っていきたいと思います!
なんで若葉町ウォーフ?
今回お邪魔したのは横浜の若葉町にある、若葉町ウォーフ。
私自身初めて聞く小劇場でしたが、
色んな劇場のホームページを見ていく中で、若葉町ウォーフに目に留まりました。
地域の子どもたちとのイベントが盛んだったり、
ウォーフと地域のつながりがホームページからも見えるので
行ってみたら楽しそうだなあと思い希望しました!
「ホームページ」を見てもらえればわかるんですけど、
「ご近所さんの紹介」ってなかなか見かけなくないですか???
あと気になったのは「まちなかギャラリー」。
子どもや街の人たち、アーティストが一緒の空間にいるのが伺えて、
そんな場所ってどんなところだろう??、と。
というわけで横浜、「若葉町ウォーフ」へ!
8/22〜26の5日間という短い間ですが、
希望通り若葉町ウォーフに滞在することになりました。
若葉町は横浜の下町。古い映画館や飲食店、住宅街が広がってました。
一部ヤクザがいたり(遭遇はしてないけどいるらしい)、
いかがわしいお店が堂々と立ち並んでいたり、
治安は良くはなさそう。
横浜というだけあって、中国人、インドネシア人などの外国人が多く暮らしてて、サラダボウルって感じです。
まずはもちろん、若葉町ウォーフへ!
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劇場自体は珍しく真っ白。
ブラックボックスならぬホワイトボックス。
常設の客席もないので舞台の形は自由自在。
50人ほどのキャパでそんなに大きくないように聞こえますが、
天井が高いので白さも相まって広く感じます。
一方、入り口付近は赤くてクラブロックンロールみたいだなあと思ったりしました。
この建物、元々は銀行だったそうで、
金庫のドアや監視用の中二階の窓部屋があったり。
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窓を開けられるので解放的にも閉鎖的にもできる
(解放的にできるからこそ閉鎖的のありがたみが薄れるとも?)
何もないときも扉や窓を解放していて、
下校中の小学生が寄ってくることもあるという話は、
劇場内への入りやすさを象徴したエピソードだな、と思いました。
劇場内はちょうど、まちなかギャラリーのくじらの展示準備の最中でした。
若葉町ウォーフは1階が劇場、2階が稽古場スタジオ、3階が宿になっています。
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この私ちょっとはしゃいでますね。
1日目。ウォーフの取り組み。
このとき準備中だった子どものワークショップ企画「くじらの夢」は3年連続開催となります。
近年、地域との関わりのあるイベントが多い若葉町ウォーフ。
きっかけはコロナ禍での「マスクの逆襲」という企画。
若葉町ウォーフのしまださんはコロナ禍でやることもないため、思いつきで新聞紙で作ったお面を片っ端からポストに入れたといいます。
なんだこれ?と噂になり、流石に企画趣旨を説明、
近所の子どもたちを中心にオリジナルのお面をつくるのをお願いすると、たくさんのクオリティ高いお面が集まったそうです。
そのお面たちをウォーフで展示をすることになり、
これが「マスクの逆襲」の企画の始まりというわけです。
その後、「マスクの逆襲」は3年間毎年開催されたそうです。
また、ウォーフができたてのころは近所の施設についての展示を実施したそうです。
近所の施設の方達に「ウォーフでみなさんの施設について展示するので情報をください!」とお願いすると意外と快く情報をくれることが発見だったとしまださんはいいます。
この企画をきっかけに「何かをお願いする」ことで周囲の人たちを巻き込めることを実感していったそうです。
火曜の井戸端会議。
1日目のお目当ては「火曜の井戸端会議」。
近所の人が集まってお話する会です。
それまで時間があったので横浜人形の家に行きました。
ちゃっかり横浜観光してます。
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その後、火曜の井戸端会議に参加させていただきました。
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名前の通り、近所の人たちが集まって最近あったことを共有する会。
「発展しない」こと、「結論を出さない」ことが肝のようです。
近所にいても意外と機会がないと顔を合わせることもない、こういった定期的に情報交換を行う場を維持することが、関係性維持に繋がるそうです。
多くの人が集まりましたが、淡々とそれぞれの近況を伝え合いました。
関係性を維持するというのはこのくらい肩の力を抜いた集まりの方がいいというのも意外な発見でした。
その後、ウォーフに滞在中の佐藤信さんと西藤将人さんの稽古を見学しました。
(写真撮ればよかった…)
「森の直前の夜」という1人芝居で、若葉町ウォーフでも上演したことある作品で、島根や松山などで長期のツアーにて再演するそうです。
西藤さんは島根の役者さん。名古屋で異邦人の庭の初演に出演していたとか!
このシアターホームステイで出会った人たちで1番名古屋に詳しいひとでした。
佐藤さんとは稽古の休憩中の少しの間しかお話できませんでしたが、
「人ではなく作品を育てたい」ということを聞きました。
東京だけでなく地方の才能も拾いたいという思い、
そのためにできることをいろいろ考えているようでした。
ここには記載しませんが、今後の企画をお話していただき、
その企画、参加したいなあと思ったり。
その後、劇場の方でくじらの展示の作業が行われていたのでお邪魔することに。
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![](https://assets.st-note.com/img/1696148814770-UqxGFLOIsF.jpg?width=1200)
すでに素敵な展示ですが、完成までもう少し!
2日目。
ウォーフの周りもいろいろ探索しました!
そのうちの素敵空間のひとつ、「ちゃま珈琲」さん。
親切に横浜事情のいろいろを教えていただきました。
ここでギター教室やバザールもやっていて、自由な喫茶店でした!
全部はいけなかったけど、素敵な飲食店も教えていただいたり。
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その後、黄金スタジオで行われていたイベントに訪問。
YAMAVIKO HAUSという出版社さんのイベントだそう。
yorimichiという銭湯をモチーフにした絵本作家のグッズ店の子ども向けのワークショップだそうです。
木の動物を自分色にペイントできたり、自分だけのグッズを作れるようでした。
私も謎の生き物を飼いました。このままでもかわいい。
井戸端会議で出会ったコーヒータローさんのご紹介でこのイベントに行くことにしたのですが、コーヒータローさんもコーヒーやお茶を提供していました。
コーヒー飲んで、チョコもつまんだりしてにっこにこです。
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その後黄金町マネジメントエリアにあるYPAMの事務所へ。
黄金町については後ほど…。
YPAMの新井知行さんとお話させていただきました。
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ここで団体の相談とかに乗ったりするらしい。
YPAM とは
YPAM(ワイパム、横浜国際舞台芸術ミーティング)は、同時代の舞台芸術に取り組む国内外のプロフェッショナルが、公演プログラムやミーティングを通じて交流し、舞台芸術の創造・普及・活性化のための情報・インスピレーション・ネットワークを得る場です。1995年に「芸術見本市」として東京で開始し、2015年からはアジア・フォーカスを強化し、アジアとの共同製作にも参画。25年以上の歴史を経て、アジアで最も影響力のある舞台芸術プラットフォームのひとつとして国際的に認知されています。職業的目的に特化した一部のプログラムを除き、ほとんどのプログラムは一般のお客様にもご参加いただけます。
なので、プロに向けたプロのための演劇を
プロの「制作者、プロデューサー」をターゲットに売るために始まったそう。
そのため、情勢や政治との必然性を作品に求められたりします。
海外からの参加も多く、特に東アジアの参加が多いそうです。
現在は韓国、台湾が胸熱だそうで、マレーシアなども情勢的には面白い作品があるんだそう。
参加する団体さんにはプロとアマチュアのグレーゾーンの作品、作家さんが多いようです。
このYPAMからプロデューサーに声をかけられて海外へのツアーが決まることもあるそうです。
そこからどう活躍していくかは、やっぱりその人たち次第だそうで。
新井さんの「パッケージではなくアイデアを売る時代」という言葉が印象的でした。
色んな公演、作品が生まれ尽くした今の社会では、
不完全でも光るアイデアを追い求めているようですね。
12月にYPAMフリンジが行われるみたいなので、また来ます。
一緒に来てくれるひと、こっそり募集します。
今日は盛りだくさん!
最後に寿町の健康福祉交流センターにお邪魔しました。
地域との関わりに興味があるということで、しまださんにご紹介していただきました。
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おじいちゃんがいっぱい
健康相談ができたり、憩いの場があったり。なんと銭湯もある。
寿町はいわゆるドヤ街。
単身の労働者が多く住んでおり、大きな家族のような町でそれはそれは賑わっていたそうなのですが、
現在は「独居で超高齢化」という社会問題を濃縮したような町でした。当時の横のつながりも数年前までは乏しかったそうです。
そんな歴史背景が深すぎる町な訳ですが、
そんな場所だからこそ「文化」という文脈で居場所をつくることをこの場所は担っているそうです。
若葉町ウォーフも連携したことのある
『ことぶき「てがみ」プロジェクト』というイベントを開催しているそうです。
寿町に住む人たちでの演劇作品で、交流を目的としたイベントです。
動画もあるようなので興味があれば見てみてください。
(これは若葉町ウォーフで上演したものみたいです。問題があれば消します。)
交流センター自体は場所を構えて、この場所で交流を促進する働きをしていましたが、
そうしていくうちに、
訪れたミュージシャンが交流センターに場所の相談をしたことで演奏会が生まれたり、
集った地域の人たちで寿町の歴史をまとめた本を自主出版したり、
この交流センターで映画の上映会をしたり、
地域での交流は自主的に、流動的に生まれつつあるようです。
場所があるという強み、そしてそこで何かしら、人がいるという強みがあったからこそだな、と思いました。
3日目。
なんと本日は小田原に。
しまださんのつながりで子ども向けの演劇イベントをやっているそうで、そこにお邪魔しました!
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小田原ホールでの「劇場留学」というイベントに見学に行きました。
小学3年生〜6年生を対象にした夏休み企画で1週間で演劇作品を作ろう!というもの。
海外からの留学生の参加者もいるようです。
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演劇の作り方が独特で、戯曲はありません。
自分たちの体験や考えをワークの中で自分だけの劇場に落とし込んで、物語を作っていくそうな。
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詳しい様子は劇場のレポートから見れます。
動画で毎日振り返りがあって面白い。
それぞれの劇場を思い思いに作ったり、
練習している歌を披露してくれたり、
私がすみっこで空気になって見学していたら話しかけてくれる子もいたり…。
とにかく子どもたちのパワーがすごい。休憩時間は鬼ごっこでずっと走り回っていました。まぶしいぜ。
そんなパワーや意志のある子どもを演劇に巻き込むのは大変なことだな…、と痛感したのでした。
川口さんやせせらぎさんは、それでもみんなの興味をうまく自分や作品に引き寄せて、製作を進めているようでした。
川口さんは先導して進行したり、せせらぎさんは子どもと同じ目線で後ろからふんわりそこにいる、そんな感じ。
演出と、役者目線の演出助手みたいな。
ホール主催事業での子どもを巻き込んだ企画というのは色々あるみたいです。
「でもこういう企画は演劇人、興味がないみたいで、人ごとっぽい」と川口さん。
あとでしまださんと話していくうちに掘り下げましたが、
表現者としては、演劇って自己表現としての機能しか目立たないけど、
人と人とが直感的に繋がるためのツールだったり
感性を豊かにしていくためのツールでもあります。
言われてみると、そこを自覚せずに、特に小劇場では自己表現ばっかりやっている人が多い印象です。
色んなひとが色んな媒体で自己表現できるようになったからこそ、
なんかそれは、もったいないかもしれません。
そういう意味で、なんで他人事?って思うんだろうな、と。
そんなこんなで演劇の役割について思いを馳せた1日でした。
4日目。
予定詰め詰めだった先日とは一転、
穏やかな散歩日和でした。
今日は「黄金町エリアマネジメントセンター」の人の話を聞きに行きました。
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アーティストさんの壁画もたくさん!
黄金町はもともとは風俗街。
違法なお店が多く立ち並んでいたわけですが、
警察と地域の人たちの力で一掃されたそう。
その後、この歪な違法建築物だけが残り、
その建物を市が買取り、アートを育てる場所として活用しようとなったわけだそうです。
こっそり値段聞いたんですけど、マジで安くて
アトリエ引っ越したくなりました。
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今はアーティストのアトリエとして使われている。
![](https://assets.st-note.com/img/1696584603251-5vpEzTZyRC.jpg?width=1200)
たくさんの部屋が中にある。
行政の支援を受けながら、
「黄金町エリアマネジメントセンター」というNPO法人がこのエリアを運営しています。
アーティストの滞在制作の場所として格安で貸し出したり、
「黄金町バザール」で作品発表の場を提供したり、
貸しスタジオを運営したりしているそうです。
アーティストインレジデンス、アガリスクの「そして怒濤の伏線回収」でしか聞いたことねえな、と思いながら、
様々な貸しスタジオや常設の作品を見てまわりました。
私、アート自体の社会情勢って知らないかもな、と反省しつつ、
演劇とはまた違った世界観で面白かったです。
というのも、ここで演劇作品に関わる人たちはあまりお見かけしませんでした。
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作品の常設もあったり、素敵なカフェがあったり。
ちょうど「夏休み子どもバザール」を開催中で、
アーティストと子どもたちの作品を見てまわりました。
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「くじらの夢」で関わっている山田さんも
ワークショップ講師として関わっていました。
その生徒さんの作品がこちら。
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ここで山田さんの活動についても興味深かったです。
山田さんは美術家。
そんな活動のなかで子どもたちと関わっています。
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外装は子どもたちみんなで作ったそうな!
「黄金町BASE」と呼ばれるアトリエ。
ここにある道具は全て好きに使っていい!
好きなものを自分で作れる空間です。
月に4回ほど解放して、みんな思い思いに作業するそうです。
作成するもので、多いのはスクーターだったり、
ベッドを作った子もいたりしたそうで!
結局親に怒られてバラしちゃったみたいですが。
こんな楽しいことだらけで、私もここに生まれたかったな!?
山田さんは強制せず、ただ居場所を作る、
なんだか小家主みたいな人だな、と思いました。
5日目。まとめ。
本日は予定は何もないので、改めてくじらを眺めていました。
ふらっと親子や子どもが覗きにくる。
素敵な空間だなあ、と眺めていました。
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今後どうしたいんだろう、とくじらと泳ぎながら物思いにふけます。
ぶっちゃけ私は演劇の作品自体にはあんまり興味がないのかもしれません。
制作や企画にこだわってきたのは、人との交流場を作りたいから。
そんなことしなくても演劇はきっとこれからも産まれていくんだろうけど、
もっと大きな波をつくりたいんだろうなあ、と思ったりしました。
こんな小娘に何ができるんだ、と思いますが。
まずは制作、企画。小さなことから一歩ずつ。
演劇に関わるひとたちをみんな幸せにしたいな。
そんなふうに思える5日間でした。
それでは、メロンパンクリエイションの理念で締めさせてください。
「文化を面白める世の中に!」
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若葉町ウォーフの佐藤さん、しまださん、
全国小劇場ネットワークの皆様、
横浜で出会った皆様、
ありがとうございました!!!
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