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2月22日(木) エマ・ストーンが美しいことはわかる

こんにちは。meiyouです。
やはり続きません、毎日は無理かもです。

言い訳の一つに胃腸壊してそれどころじゃなかったっていうのもあるのですが、機会があればお話しさせていただきます。大したことでは全くないのですけども…。

今日は2個上の卒業してしまう映像サークルの女の先輩と、
フライヤーを見てからずっと気になっていた
『哀れなるものたち』を観に行きました。

『ララランド』も観ていないような人間なので、もともとエマ・ストーンの演技力や美しさに惹かれていたわけでは全くありません。
フライヤーのビジュアルのみでこの作品にとても興味がそそられていました。

しかし、Twitterは私を分析して好みに合わせたツイートをおすすめしてくるので、1月末に上映開始してから、『哀れなるものたち』のツイートがたくさん流れてくるようになってしまいました。
アルゴリズムっていうんですよね、多分。
CHRISTIAN/Zior Parkの歌詞に出てくるなってふと思いました。

私は何か作品を見るときは、あまり事前に情報を摂取せずに観たいタイプです。
映画を観に行った時に見た予告編が気になったらとか、ふらっと映画館に立ち寄った時に一目惚れしたフライヤーから興味を惹かれたとかの理由でいつか見ようと決めている私にとって、感想ツイート達は早く見ろと急かしてくるようでした。

ちょうど失恋した話、そして他の人にアタックしようか悩んでいる話をその先輩に話したいと思っていましたし、多分お互いに映画の好みが合うとドキドキし合ってた仲だったと思います。
こんなベストタイミングは無いと思い、お声がけさせていただきました。

その先輩はお洒落で優しくて、動画の編集も出来て、アイドルが好きで、映画が好きで、自分の意見を持っている人でした。
そしてなにより私の事を可愛がってくれました。
この日がサシで遊びに行く2回目の日だったというのに。
初めてサシでご飯に行った日もついこの間の12月のことだったのに。
私が1年生の頃に比べ、この映像サークル(私は4つのサークルに入っておりそのうちの一つです)にあまり顔を出さなくなってからも私の事を覚えてくれていたのです。
「いつかご飯に行きたいと思ってたんだ。」と初回は誘ってくださったので、2回目は私が誘いました。

社会人料金は高いだろうな〜

終電ギリギリに終わる回を観に行きました。渋谷のシネクイントです。上映までは一緒に韓国料理を食べて、色々なお話をしました。しかし、ご飯を食べ始めた初っ端に、私がアタックしようと思っていた人(この女の先輩の同期の男の先輩)の愚痴をこぼされ、アタックしようか悩んでいることを相談しづらい状況に。いえ、話しづらいというよりは、その人にアタックするか更に悩んでしまいました。私はそこまで次の人に行くか真剣に考えられていたわけではありませんし、なにより同性の、感性を信頼している先輩からの評価を聞いてしまったものですから、私の中のイメージも少し汚れてしまったのは否定できません。

ということもありつつ色々な話をした後、ついに映画を観に行きました。
遅い回だというのに人は割といて、客層はさまざまで統一感はありませんでした。中にはカップルもいて、事前に「彼氏と行くな」というツイート(この映画は18禁)を見ていたので、勇気があるのか無知なのか、本当にこの作品に興味がある二人なのか気になりました。

備忘録:一番後ろの席は少しスクリーンが遠く感じたので、それより前の座席に今度からは座りたいと思います。

私は話下手なので、映画の予告中に先輩とお話しすることが出来ませんでした。いいなと思う映画があっても、話しかけて共感を誘おうとする勇気が出ないというか、なんだかまだ少し気まずくて、もどかしかったです。

注意:ここからは作品のネタバレありです。







『哀れなるものたち』


 幻想的で写実的な西洋絵画のような、映像美を楽しむ映画であること。そして、エマ・ストーンの美しさを存分に味わえるスタイリングだったなという印象が何よりも大きかったです。

 内容に関しては、正直私は何を伝えたいのかはあまりわかりませんでした。ただ、これは私のテクストを読み取る力が低いからだと思います。
先輩に聞いてみたところ、タイトルにある通り、エマ演じるベラが精神的に成長するにつれ(身体はもう成熟しているため)「人間は『哀れなるものたち』である」ことに気づいていくストーリーなのではとのことでした。

 私はこの見解に賛同するので、自分ですぐに気づかなかったことが悔しかったです。もっとじっくり自分の中で消化してから感想を聞けばその時には気づいていたでしょうか。映画は人と感想を共有したいから複数で見に行きたいけど、消化する時間を設けるのも大事ですね。自分の考えが曖昧なまま人の意見に飲み込まれてしまう。教訓です。

 ベラは、容姿は完成しきっているのに中身が赤ちゃんであるという異例の事態であるにも関わらず、脅威の吸収力で並の人間の何倍もの速さで世界を理解していきました。高速で人間の精神的成長を眺めるのは面白かったです。
 序盤にはベラがお漏らしをしたり、ゴッド(ベラの育ての親)の解剖用の遺体を弄ぶシーンがありました。遺体の目が潰されたときは、グロが苦手な私はうっとなりました。このような人前では恥ずべき行為の区別や倫理観が育っていない状態から、徐々に見た目の年齢に相応するような振る舞いを学んでいく姿を見ることが出来ます。
 ちなみに、目潰し以降は特筆するほどのグロシーンはなかったと思います。クリーチャーが出てきたりと少し気持ち悪いなと感じるシーンはそれ以降もありますが、見れないほどではありません。

 作中には18禁のシーンが多く散りばめられていました。人間には不可欠な欲求であることを見せつけるかのように。
 まず、性への目覚めが早かった印象です。確か食事中に自慰行為を始めるのですが、「あ。第一気まずポイントに入ったな」と直ぐ察しました。大きく喘ぐベラは心底気持ちよさそうで、俳優さんってすごいなと思いました。
そこから、ダンカンという男性に魅入られ、ベラはゴッドの弟子と婚約した状態で他の男と公開駆け落ちをします。
 この世界の時代設定は、現代でも実現していない技術(車が空をとんだり)がありつつも、馬車があったり服装や建物から、19・20世紀ではと私は勝手に考えながら見ていました。そのため、ダンカンとベラはかなり歳の差があって、この時代の恋愛なら全然普通の歳の差だと思いますが、私は少し嫌悪感を感じました。
 もしこの二人の駆け落ちがプラトニックでしたら感じるものは少なかったのですが、その真逆。セックス三昧です。びっくりするほど。
ダンカンは裕福でしたし、プレイボーイでした。ベラも性への興味津々な年頃だったこともあり、昼夜問わずセックスが主食のような生活を送る二人。
 そしてなんやかんやあって、一文無しになったダンカンのことを見捨て、ベラがパリで娼婦としてお金を稼ぐシーンはキモイおじさん客のオンパレードで、エロいなというよりは気色悪いが勝る感じです。
これはどう演技しているのか、と考えながら該当シーンを眺めていました。

 ベラは自身の知的探求心に支配されて行動する女性でした。
「世界を知りたい」という願望のままに動く様子は、日々色々な弊害を抱えながら生きる人には刺さる憧れの姿なのではと思いました。
私は羨ましくなりました、こんなに好奇心旺盛に行動できる若さが。私はその感覚が少し麻痺してきて、少しつまらない人間になってしまったと感じています。
 この作品の特に印象的だといえる場面が、ベラの世界が新たに広がったとわかりやすすぎる視覚表現です。具体的には、今まで「家の外には出るな。危険がいっぱいだから」とゴッドに言い聞かされてきたベラが、ダンカンと駆け落ちして部屋の窓から外の世界に飛び出すシーンです。それまで白黒だった画面に一気に色が生まれます。このシーンは誰もが印象深いと思いますし、ベラの感性を共有したような心地です。
 しかし、それ以降、ベラの知見は広がっていくばかりなのにわかりやすい視覚効果は無かったような気がします。そこが少し疑問です。
もっと画面の質感をリアルにするとかしたら、世界にピントが合っていく感じを表現できるのでは、とか考えてしまいました。野暮ですが。
 しかし、ベラの服装のスタイルがだんだんと変わっていくことでベラの精神的成長を視覚的に表しているのは感じられます。特に、リスボン、イスタンブール、パリを経て再びロンドンに戻ったベラの服装は、それまでのカラフルで可愛らしいスタイルから一気にモノトーンでシックなスタイルへと様変わりします。なんでも似合ってしまうエマ様に感動しますね。

 このように視覚的に全く飽きないのがこの映画の特徴だなと思います。
内容は話の盛り上がりが多いわけではないので少しだけ長く感じます。そのため余計に、映像美と美しいエマ・ストーンを堪能できる作品だなと思ってしまいました。
 私はそもそも何を伝えたい映画かよくわかっていないので、この作品をどのような心持ちで観ればより楽しめたかはわかっていません。
勿論、全ての作品に観客に伝えたいメッセージが無ければいけないわけでは全くありません。メッセージがあっても無くても面白い作品はこの世に溢れています。
 ただ、私はこの映画が何か伝えたいことがあったのではと思ってしまい仕方ないのです。でも、それが何か私にはわからなかったし、もし伝えたいメッセージが「人間は哀れなるもの」という内容なのだとしたら、弱すぎると思います。そんなの言われなくてもそうだろうなと思ってたよ~って言いたくなってしまう。じゃあメッセージは無いのかな。ただベラがフラットな目線で人間世界を理解していくストーリーなのでしょうか…。育ての親がゴットって名前だったし、キリスト教的な教訓が隠れていたのでしょうか…。このように、どう消化するのが監督の望む観客の姿だったのだろうと考えてしまいます。

 なので、間違いなくいえるのは、幻想的で美しい、私たちの知っている世界とは少し異なるパラレルワールド。そして美しく可愛らしいエマ・ストーンは間違いなく存分に堪能できるということです。
 正直目に美味しい映像が多いのでそれだけを観に行く価値もあると思えるほどです。
 私は観に行けてよかった!!







ネタバレ終わり

先輩と解釈や印象的だったことを語らいながら渋谷駅まで下りました。
私たちは路線が途中まで同じだったので満員の電車で苦しみながら優しく解散しました。
もう社会人として働き始めている先輩ですが、5月くらいになったら落ち着くからまた遊ぼうと言ってくださったので、それを信じて待とうと思います。
それまでに見たい映画を考えないとですね。
今のところは『関心領域』が気になっています。
『オッペンハイマー』と『DUNE1・2』も早く見ないと。

今回はかなり長ったらしく感想を連ねています。
あと言葉の誤用があるかもしれませんが、かっこよく言いたかったんだと思っていただければ…。背伸びしてすみません。
ここまで読んでくださった方に感謝を!

おもしろかったら、スキ!してください。
ではおやすみなさい。

#ヤンニョムチキン

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