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日本一の資料作成スキルを持つ社長から教わった話~コンカーアカデミー振り返り~

1 コンカーアカデミーとは

 コンカーアカデミーとは、日本における最も働きがいのある会社(GPTW:Great Place to Work® 従業員100人から999人の中規模部門)に3年連続で選出されている、株式会社コンカーがCSRの一環として外部に向けて開校したプロジェクトです。コロナを受けて、コンカーのオペレーションを徹底してリモートしようという試みの中で始まった取組とのこと。

 今回の"プレゼン力向上講座"は、同社代表取締役社長の三村真宗さん(生徒の立場として、敬意を込め"さん"付けとさせていただきます)による全3回にわたる無料の講義とあり、全国から600を超える応募があったそうです!
 私は倍率30倍を超える中で運良く当選することができ、晴れてコンカーアカデミー1期生となりました。

 受講生はというと、リモート開催のため、私のように地方在住者だけでなく、海外から参加されている方も。業種・職種も多岐に渡っていて、人材のるつぼといった感じ。

 コンカーは人材育成のビジョンにおいて、”全員がリーダーシップを発揮できる最優秀集団へと成長を遂げよう"といった高い目標を掲げています。
 そのために、ソフトスキル(リーダーシップ、アントレプレナーシップ、チャレンジ精神)とハードスキル(業務スキル、英語スキル、プレゼンスキル)を伸ばす様々な取組を行っています。
 本講座はハードスキルのうちのプレゼンスキルを高める場を社外に提供(高め合う文化=働きがいを高めるドライバー)しているものという位置づけです。

*この様なコンカーの各種取組やカルチャー及び三村さんの詳細については、「最高の働きがいの創り方(技術評論社)」をご一読ください。私も受講が決まって慌てて読み込みましたが汗、マネジメントしている方もそうでない方も非常に勉強になる一冊と思います。

2 第1回講座

 では、第1回講座の振り返りです。
 Zoom meetingsで三村さんから生徒20名へ講義形式で行われるのですが、質問や感想がチャットで飛び交ったり、三村さんから意見を求められたりとインタラクティブに講義が進んでいきます。
 事例を織り交ぜつつ、実際の資料で視覚的にも訴えながらの説明のため、全てをお伝えすることはできませんが、重要な部分と関心を持った点をメモ的に書き下ろしていきます。

*アカデミー生のKさんがイラストで大変わかりやすくまとめられているので、こちらもご参照ください。ただ絵が上手いだけではなく、講座の本質が整理されていてレベル高いです!すごい!

2-2 アリストテレスの人を動かす3要素

 エトス(Ethicの語源)/信頼、実績から得られるもの
 →一生をかけて身に付けていく

 パトス(Passion〃)/感情、情熱
 →会見でメモを見て話すのは弱い(ex. コロナ各国トップ比較)

 ロゴス(Logic〃)/論理
 →今回の講座で特に学ぶ点。他要素に比べ技術的側面が大きい

2-3 箇条書きはしない

 三村さんが若かりし頃、コンサルティング会社シグマクシスの倉重会長から教わり衝撃を受けたというもの。以来、箇条書きの資料や言葉だけの資料はゼロとのこと。

 箇条書きはしないこと。頭の中のアイディアを図にできないのであれば、そのアイディアは自分自身が理解できていないということ。徹底して図で表現することを突き詰めること。
 箇条書きは楽。頭の中にあるアイディアを順番に書き出しているだけ。終わった気になる。アイディアをグループ分けしたり、優先度をつけたりできるはず。

2-4 構造化とメッセージング

 新卒で入社した独SAP社7年目/8~13年目での学びについて。

 構造化することで説明がわかりやすくなる。大きな概念を軸で細分化し、理解を深める。
 時価総額はドイツで最も高いSAPだが、新製品の製品力が弱かった。そのため、いかに製品の良いところを言語化してわかりやすくするか。記者会見をして発信する経験を繰り返した。

2-5 マッキンゼーで得たもの

 2006年にSAPジャパンから米マッキンゼー・アンド・カンパニーへ転職。
 入社後、会議室に1か月詰められ、アンラーン(今まで覚えたことをリセットしなさい)を指示される。ロジカルシンキングを徹底的に叩き込まれた。
 マッキンゼーの資料は何年も残り続け、数年後の意思決定に使われるかもしれない。そのため、ファクトとデータに基づき、ロジックも正しくなければならない。ピクセル単位で修正を指摘されることも。

 ロジカルシンキングのポイントは、まずイシューを特定すること。
 マッキンゼーでは正しくイシューを決めればプロジェクトは7割終わっているとも。
 1.イシューの特定
 2.サブイシューに分ける
 3.サブイシューに対して仮設を決める
 4.仮説が合っているか検証(データ、専門家ヒアリング)
 5.再度仮説を立て直す

2-6 PRドリブン経営

 コンカーはPRドリブン経営を標ぼう。製品のリリースであれば、時間を横軸に、イベント・記者会見等を縦軸にどのタイミングで何をするか設計している。

 PRドリブン経営は初めて聞いた言葉でした。詳しく書かれているものがありましたので参考までに(有料記事含む)。

2-7 構想の重要性

 資料を作るときにいきなりパワポを開くのは×。
 良さげな資料の寄せ集めは×。
 構想に徹底的に時間をかけること(構想:作成 8:2)。

 構想をしっかりするには..
 ①プレゼンで何を成し遂げたいかを明確に
 ②上記目的を論理的にサポートする構成
 ③論理展開に合った構造(フレームワーク)
 ④ストーリー展開(事実→課題→打ち手)
 ⑤軸に対する意識
 →①~⑤を実行する結果、資料作成の生産性が高まり、目的が叶う

 90分の時間設定でしたが、あっという間で充実した時間でした。
 改めてこのようなチャンスをいただけたことに感謝申し上げます。

 以上でコンカーアカデミー第1回講座の振り返りを終わります。