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マンガデザインプロデュースby Manga Designers Lab.⓮高砂熱学工業〜新たなSDGsの表現方法〜

どうもどうも、吉良です。

暑い夏を忘れてしまいそうなくらい一気に涼しくなり、空気も乾燥してとても気持ちのいい爽やかな秋がやってきましたね。とはいえもう10月中旬、秋はあっという間に冬に移行してゆきそうですね。

世界に目を向けるとまた新たな紛争が勃発して、こちらもとても残念なことに、戦争に移行していきそうです。

2015年に「国連持続可能な開発に関するサミット」が国連で開催され、「世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が世界各国の政府により可決されました。

それが、ようやく日本でも知名率が80%を超えた「SDGs〜持続可能な開発目標〜」です。具体的には世界共通の17目標で、貧困・不平等・格差・気候変動など、世界のさまざまな問題を根本的に解決し、すべての人たちにとってより良い世界をつくるために設定されています。その達成目標年が2030年になります。

マンガデザイナーズラボがSDGsに取り組んだのが2020年、コロナの大流行が始まり緊急事態宣言が全国に出された時期でした。

ビジネス上では、リモートワークがスタンダード化しつつあるゴールデンウィーク期に「親子で学ぶSDGs」のマンガデザイン企画を日本経済新聞で実施しました。17項目の持続可能な開発目標を4コママンガでわかりやすくデザインしました。

2020年4月30日30段(緊急事態宣言下)

この企画に真っ先に協賛・共感してくださったのが高砂熱学工業株式会社で、今でもこの企画をパネル化したものをロビーに掲示し、弊社制作のロビーデザインと共に新入社員研修にも使ってくださっています。

高砂熱学ロビー

そういう意味では、後ほど詳しく説明する今回のマンガデザインプロデュースの企画解説クライアントの高砂熱学とマンガデザイナーズラボとのつながりは遡ること3年前から始まっていたことになります。

このSDGsの新聞企画をきっかけに2021年の、まだコロナ禍ながら対面講義がスタートした後期講義から大阪芸術大学のマンガデザイン課題にもSDGsを取り入れました。

その講義サポートのために、僕のnoteでも「SDGsをマンガデザイン」シリーズとして17項目をひとつずつ、学生の作品と合わせて紹介してきました。

その成果は学生たちにはしっかり感じ取ることができました。この課題によりデザインをするうえで、事前にしっかり「調べる」ことの大切さを感じてもらいました。

つまり、名前だけ知っているのではなく、しっかり内容を理解するということこそが大事という考えです。

実際に、このnoteをお読みの皆様は、SDGsという言葉の認知が進んできている昨今ですが、その内容まで説明できますか?

2023年6月におこなわれた調査では、SDGsという言葉すら聞いたことがない人はいませんでしたが、人に説明できるのはわずか「2%」という結果が出ていました。

この結果はまさに、日本の受験教育の原点の「表面的な暗記」という考えがあるから生まれたのだと思います。

SDGsの5項目めは「ジェンダー平等を実現しよう」だ、のように形だけ暗記して、内容の理解までまったく進んでいない、いやそれよりもその暗記をしていることが凄いこととなっているのだと思います。

そのことに気がついたため、2022年の後期から学生課題を変えることにしました。形だけの暗記ではなく、実際に各企業の取り組みを通して具体的な内容を知ることがSDGsを内容までしっかりと理解することにつながると考えました。

そこで、近年の大阪芸術大学や日本女子大の授業課題では「企業のSDGsに対する取り組み」をマンガデザインや文章で表現してもらっています。

その成果はあっという間に出始めました。特に僕の目に留まった最高の作品がこちらです。

(大阪芸術大学 デザイン学科 坂本佳那恵さん)

SDGsの目標3に対する島津製作所の取り組みをマンガデザインでわかりやすく、目標3のアイコンカラーの緑を使って仕上げたコマ割りマンガです。これを見て、「まさにこれだ!日本中の企業に企画したい」と思いました。

その機会は思いのほか早く2023年の6月に来ました。

先日のnoteでご紹介した日経新聞とのシリーズ企画「予防インフラ2023」にも初回から協賛してくださっていた高砂熱学にその学生作品をお見せしたところ、高砂熱学でもこのようなSDGsマンガ企画を創りたいと言っていただきました。

このシリーズの最終回の2023年9月1日に、新しい時代のSDGs企画が4C1P(カラー15段広告1ページ)で掲載されました。6月の提案から第10稿目でした。その作品がこちらです。

2023年9月1日 日本経済新聞掲載

この掲載の後、日本経済新聞社と今後の話をしました。僕がやりたい「SDGsの新しい形(企業のSDGsをマンガデザイン)」の原型はまさに高砂熱学9月1日掲載です。

今日、若者と大人のSDGsへの理解の格差がどんどん広がってきています。理由は簡単です。小学校では2020年度から、中学校では2021年度から、高校では2022年度から「持続可能な社会の創り手の育成」が学習指導要領に明記されました。

SDGsの中身をきちんと理解していないのは、SDGsバッチをつけてわかったような気持ちになっている大人たちだけだということです。つまり、SDGsを暗記するのではなく、もっと理解する手法が必要ですね。

高砂熱学のSDGs企画がこれからの企業のSDGsのスタンダードになるよう、大阪関西万博や2030年に向かっていきたいとマンガデザイナーズラボは考えています。

次回のプロデュースもお楽しみに。

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