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正しく使える毒を持て!

母は、楽しみにしていました。

我が子(私)がおしゃべりする様になる日を。

「かかって来んか~」

しかし…。

私は、母とは似ても似つかない大人しい子供に…。

拍子抜けする母。

「なんや、この子は?」

「反抗も、ようせんのか…」

ちなみに、母は実母に抵抗ばかりしまくる悪ガキでした(笑)。

ある日、母の実母(祖母)が、物心付かぬ私がおしゃべりするのを聞いて、驚きました。

仕事から帰宅した父に向かって、「メシの種~」と叫んでいたそうな…。

「なんじゃ、この子は…」

果たして、その様な言葉を幼子に教え込んだのは、誰なのか?

祖母は、その答えを知っていました。

さすが、元悪ガキが育てた子供。

大人しい私を見て心配した母は、思いました。

「少々、汚い言葉も使えんと、人から舐められるで~」

なんとも、奇妙な教育方針…。

危機感を覚えた祖母は、私が良い子になる様に軌道修正を開始。

まあ、元々、大人しかった私。

結局、母の期待を裏切って、大人しげに見える人間に成長。

周りの人達から、「上品な人」などと言われる様に…。

祖母は、大満足。

でも、母は、大変不満げ。

ちなみに、父は祖父に厳しく躾られ、大変お行儀の良い人間に成長。

それでも、必要に応じて、毒を吐き、上手く自分の身を守る術を身に付けています。

人間、優しさや上品一辺倒ではダメ。

人生は、厳しいのでした…。


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