噛み締めるありがた味

商売が繁盛し過ぎて、従業員の教育に手が回らなくなったボス。

実務者を育成するための教材を購入して、皆に受講を勧めるのですが…。

反応は、イマイチ（笑）。

｢せっかく、高いお金を出して買ったんだから、大いに活用しなさい！｣と、ボス。

当初は、職種経験が浅い人達が対象でしたが、彼らは、ほとんどこの教材に興味を示しません。

何しろ、この職場の従業員のほとんどが、同業者の職場を渡り歩いた経験が無いため、教材を与えてもらえることのありがたみが分からない様子。

私のいる業界で、従業員の教育体制を整えている職場は、大変珍しい部類に入るのです。

どこのボスもドケチで、人を教育するためのお金なんか、出してくれません。

ですから、訳が分からないまま仕事をしている人も多いのです。

（恐ろしいのだ…）

まあ、どうせ、すぐに退職してしまうのですが…。

無造作に、ポイっと放ったらかしにされている教科書を手に取り、講座の受講を始めた私。

勤務時間内に受講させてもらえることも、感激。

（やっと、正しい仕事のやり方を教えてもらえるのだ！）

これまで、ロクに仕事を教えてもらえない職場を転々として来た私。

嬉しくて、気持ちは、ルンルン🎵

１人ウキウキする私を、不思議そうに眺める、周りの人達。

｢あの人、物好きなんじゃね～？｣みたいな感じ…。

恵まれない環境を経験することも、人生の肥やしになるのでした（笑）。