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ばあちゃんから父への贈り物

母方のばあちゃんは、父の事が大のお気に入り。不思議と、人間嫌いのじいちゃんまでが、父を気に入っています。

わがまま娘(母)がお世話になっている感謝のしるしとして、父への贈り物に頭を悩ますばあちゃんでした(笑)。

「あんたのお父さん、何が好き?」物心が付いたばかりの私に、ばあちゃんが尋ねます。

「ピーナツとあんぱん!」と張り切って答えてみるも、ばあちゃんの表情がさえません。あれれ?子供心に困惑するのでした。

「もっとええ物(高い物)、言いなさい」とばあちゃん。

この質問を母にしないのには、訳があります。

「お父さん、なんも欲しがってないで」母はそう答えるからです。

でも、これ、本当なんです。父はあまり欲がありません。

後に、チョコレートも父の好物であることが判明するにはするのですが・・・。

ばあちゃんのこの質問は、私に対して何度もなされました。

でも、私の答えはいつも同じでした。

ため息を付くばあちゃん。試行錯誤が始まります。

とりあえず、いかなごのくぎ煮などを作って父にプレゼント。

ばあちゃんは、母と違ってお料理上手。父の反応は上々です。

それからばあちゃんは、我が家へ遊びに来ては食事を作るのでした。

何か、変なプレゼント。これって、一番喜んでいるのは母じゃない?

ばあちゃんが我が家にいる間、左団扇で暮らす母でした。

父曰く、「お年寄りには、若い者がサービスをしてやらんでどうするんね?ばあちゃんを働かしてどがんすっと?」

母曰く、「ばあちゃんは、好きでやっとるからええんよ!」

どうも我が家は何かが違うのでした(笑)。




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