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その心が分からない

母方の祖父。

突然、我が家にやって来たります。

母と祖父の関係はとても悪いものなのですが…。

これに心を痛めた祖母が、祖父にお金を持たせて言いました。

「これで、花甘露ちゃんにケーキを買って持って行ってかー」

祖父のせいで、母の家庭は滅茶苦茶。

祖父は、結婚したくせに家族を放置。

母は一旦両親から捨てられ、やがて祖母も死にかけたりする始末。

見かねた祖母の兄がお金を出してくれ、ようやく祖母は入院。

一命を取り留めたのでした…。

我が家に来て、お酒を要求する祖父。

祖母は、思いました。

「手ぶらで行かせる訳にはいかない!」

ところが…。

我が家にやって来た祖父は、言いました。

「ホンマは、ケーキでも持って来たろうかと思ったんやけどな!」

「百貨店に行っても、ケーキは売っとらなんだ!」

それを聞いた母と私は、思いました。

「また、ウソついてるわ!」

百貨店にケーキが売っていない訳ないのでした(笑)。

事の顛末を祖母に話してみると、祖母が憎々しげ言いました。

「あのケチ爺さんは、百貨店に行って驚いたんやって!」

「ケーキ1個が500円以上もして、怖じ気づいたんやって!」

「5000円も渡したのにな!」

「すぐバレる様なウソついてからに…」

「アホじゃろか?」

自分の子供や孫達に何も与えて来なかった祖父。

ケーキの値段が分からなくても、不思議ではありません。

それにしても、祖父はどんな気持ちで母と対面しているのだろうか?

未だ、謎なのでした…。

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