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職場脱出

ブラクックな職場を複数経験したことで、転職に対しては何の抵抗もありません。石の上にも三年という言葉がありますが、そんなことをしていれば、自分の身に危険が及びます。

違法行為を強要してくるような職場にいると、それをやらないと生き残れず、だんだんそれが常習化してくるのです。最初は、抵抗があるのですが、そのうち、何とも思わなくなる。恐ろしい事です。

ある職場のボスの妻が、私に書類を役所に持っていくよう、命じました。

退職1週間前の事でした。

書類を提出。しばらくして、役所の方が私を睨み付けてきました。窓口に呼ばれて、「こんな酷い書類を持ってきたのは、あなたの所が初めてだ」と言われてしまいました。

「あなたの所、書類を改ざん・偽造していますね?」

「偽造・改ざんするにしても、こんなに酷いのは初めてです」

役所の方は私が偽造・改ざんしたと思ったのです。

以前、この書類を作成していた人が退職したため、ボスの奥さんが仕方なく慣れない作業を行ったのでしょう。

役所の方に言わせると、偽造・改ざんのレベルが低すぎるそうです。普通は、もっと上手く偽造・改ざんしてくるのだそうです。

事情聴取が始まりました。

私が作成した書類ではないことを説明。このような職場なので、1週間後に退職する旨、この職場で皆がどんな働かされ方をしているか等々、様々な事をお話ししました。

すると、役所の方が「今度は、ホワイトな職場に転職するのですよ」とおっしゃいました。

その後予定通り退職したため、この件についてはどうなったのか分かりません。

それから、同じ業界の職場に転職したのですが、こちらもやはり変でした。結局、ここも数か月で退職となりました。

貧すれば鈍する。皆、余裕がないため、目先の利益に目がくらんでしまうのです。

そこで働いているボスも不満鬱積気味で、従業員に八つ当たり三昧です。当たられた従業員も新米社員相手に憂さ晴らしをします。

いつまでも続く負の連鎖を断ち切ることができず、この業界の評判はたいそう悪いものとなっています。自分で自分の首を絞めているのです。

「もう、二度とこの仕事に就きたくない」そうおっしゃる方が多いと、ハローワークの方に教えてもらいました。

でも、友人がこう言うのです。

「いい職場もあるから、絶望しないでほしい」と。

彼女も同じ業界にいた人で、何度かおかしな目にあっては、転職を繰り返してきたのでした。それでも、彼女はこの仕事を嫌いになれないのでしょう。

私は、そこまでこの仕事を好きにはなれません。

生活の為、よりまともな所を探しては転々とする、そんな程度となってしまいました。幸い今の職場では、違法行為を強要されることはありません。でも、決して働きやすい職場ではありません。



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