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日本の生きづらさ、社会問題の解決〜ミンダナオの子どもたちと手を取り合って〜

こんにちは、ミンダナオ子ども図書館スタッフの西村奈々子です!

ミンダナオ子ども図書館(MCL)の中の子ども達は、世界に戦争や傷つけ合うことはダメだと知っていて、みんな違いや個性を尊重し合い、愛し合っています。争わず、話し合いで平和を築けることを知っています。困っている人がいたら、声をかけて助け合い一緒に歩んでいきます。

そんな子どもたちを見ていると、ここには本当の幸せがあると感じました。もちろん貧困や紛争により苦しい思いをしてきた子どもたち、今もなおミンダナオには助けを必要としている人がたくさんいます。日本の皆さんも貧困や紛争地の悲しい現状はメディアを通してご存知だと思います。

紛争により、元から貧しい暮らしをしていた人々が家さえも失い路上での生活を余儀なくされた様子。MCLの支援でビニールシートや食糧、衣類、読み語りを届ける。

日本の社会問題〜私が感じてきた生きづらさ〜

そこで今回は、あえて日本の直面している問題に目を向けてお話をしたいと思います。日本では、学生間のいじめや不登校、働きづらい社会、孤独な育児、ジェンダー不平等、鬱や自殺といった心の病など、本当に深刻な問題を抱えている人が多くいます。私自身も、学生時代にいじめも受けたこともありますし、子どもの頃は父も母も共働きで一人寂しい思いをすることもありました。父は働き詰めの末、鬱になり私が小学生の間の2年間以上はほとんど会えずにいました。そのことは小学生だった私にとってあまりにショックで、記憶さえ消えて思い返せないほどです。

また、ジェンダーにおいても私は同性も異性も関係なく、「好きになった人が好き」という個性を持っています。バイセクシャルやパンセクシャルと呼ばれる性的マイノリティーにあたります。日本ではこのことを偏見で見られてしまうのが怖いと思うことが多々あります。それはまだ、日本の性的マイノリティーに対する理解が進んでいない。そもそもみんなが隠して生きてきたので、周りに性的マイノリティーがいることも知らないという人が多いと感じます。そんな中でも私の性の個性を愛してくれる方とたくさん出会い、発信する勇気をもらいました。

私自身は金銭的な問題もなく、家族からの愛情も受けて育ちました。だけれど、思い返せば日本社会でたくさんの問題に直面し生きづらさを感じてきました。だからこそ、私は日本社会でこのような埋もれてしまうほどにある問題に目を向けて、できることをコツコツとやってゆきたいと思っています。

ミンダナオの子どもたちがくれた生きる力

MCL本部では、紛争で親を亡くしたり、家庭が崩壊した奨学生たち80名近くが共同生活を送っています。想像もできないほどの心の傷を抱えていると思います。それでも、私の目の前に映る子どもたちは生きる力に満ちていました。寂しい時もあるけど友達がいるから大丈夫だよと言って、私にもいつも寄り添ってくれました。その子どもたちの言葉にできないほどのあたたかいパワーは、私に生きる力をくれました。

MCLの子育つ環境

MCL本部で働いているのは女性のスタッフも多く、妻の仕事をサポートするため家事や育児をする育メン(育児をする男性の略称)もたくさんいます。奨学生のみんなもお兄ちゃんお姉ちゃんとなり、小さな子たちのお世話をするので、“子育つ”環境があります。

スタッフの赤ちゃんのお世話をする奨学生のお姉さんたち


MCLの個性の尊重(LGBTQ +)

現地の言葉で「トンボーイ」と呼ばれる身体は女性で、心は男性の奨学生もいます。ドレスやお化粧をすることも好きという女性的な面も持つ男性の奨学生もいます。一人ひとり、当たり前に違いあり、その個性のありのままで奨学生たちは生活しています。自分の個性を大切にして生きる子ども達に、私は憧れました。周りの友達もスタッフの大人たちも、一人ひとりの個性として尊重しているからこそ、のびのびと育ってゆきます。

「トンボーイ」と呼ばれる身体は女性で、心は男性の奨学生
ドレスやお化粧をすることも好きという女性的な面も持つ男性の奨学生

MCL子どもたちや環境は、私にいつも私に大切なことを教えてくれます。私が日本で抱えていた問題もMCLで共にに生活を送る中で、一つずつ解決していきました。

日本での講演活動

親子向け講演の様子

昨年6月より、本団体のスタッフとなり日本の皆さんに向けて、30回以上のオンラインや対面での講演活動を行なってきました。団体の活動やミンダナオの子どもたちのことを知ってもらうための活動として始めましたが、同時に日本の皆さんが感じている問題解決のヒントを届けられる活動でもあると気づきました。

講演に来られた方々より、「私にとっての本当の幸せを考える機会をもらいました」「子どもたちの笑顔に生きる力をもらいました」「宝物は、家族、友達、愛!と答える子どもたちの言葉に本当に感動しました。どこで、この当たり前のことが忘れられてきたのだろうと考えさせられました」「息子が不登校ですごく悩んでいるので一緒にMCLに行きたいです」「ママだけでするのではない育児を広めてゆきたい」などと、毎回皆さまの気づきやご感想をいただきます。

私はMCLを通して出会う皆さんと、どこかでひとり悩んでいたあなたと、MCLの子どもたちとで、みんなで手を取り合ってゆきたいです。そうすれば、ひとりでは解決できなかったことも解決できるかもしれない。何より、ひとりじゃないと思えることが小さな勇気になったり、生きる希望になると信じています。

講演では、ミンダナオにいる子どもたちとZoomを繋いで交流もしています!

これからも、オンラインと対面のどちらもの講演を行ってゆきます。今までは、「子どもたちの生きる力」「絵本の持つ力」「平和と戦争」「ミンダナオのジェンダーや育児」「プランテーションバナナや森林伐採、フェアトレード」など多様なテーマで講演を行ってきました。講演内容は、講演先のご要望を聞き、相談しながら来てくださる皆さまに届けたい内容で考えています。いつでもお気軽に、mcl.nanako@gmail.com までご連絡ください。

読んでくださり、本当にうれしいです。
ありがとうございます☺️
これからもできることを一歩ずつ頑張るので、
応援していてくださると力になります🌱

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