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ベルンハルトの自伝第3部『息』

ベルンハルト『息 一つの決断』(今井敦訳)が近刊リストに入りました。5月16日発売予定。ベルンハルトの自伝的五部作の第3部です。五部作はこの他、第1部『原因 一つの示唆』、第2部『地下 ある逃亡』、第5部『ある子供』(いずれも今井敦訳)が既刊で、2年半ぶりの新刊です。残すは第4部『寒さ』のみとなりました。
ベルンハルトといえばここのところ毎年のように邦訳書が出されており、昨年12月には『樵る 激情』(初見基訳)が河出書房新社から出ました。新刊が出るたびにツイッターで「石灰工場の復刊は……」とささやかれますね。激しく高騰しているので何らかの形で復刊されるとよいですが。

このほか本に関するさいきんの話題でいうと、ハインリヒ・プレティヒャ『中世への旅 騎士と城』(平尾浩三訳)のヒットでしょうか。白水社刊で、品切れしていましたが、神保町の書店「書泉グランデ」の企画で全冊買い取りで復刊したところ、あっというまに完売に。さらに重版がかかり、予約を受け付けたところ1万件以上が入ったそうな。こういうのを見るにつけ、本を売ることにはまだまだ可能性があるのではないかと思いますね。本そのものから人々が離れているのではなく、本と人をむすびつける媒体や機会から離れてしまっているのではないか、と。
ちなみにこのヒットの影響で、同シリーズの『中世への旅 都市と庶民 』『中世への旅 農民戦争と傭兵』も復刊予定だそうで、うれしい限りです。

最後にグッドニュースではないですが、「日本の古本屋」のメンテナンスが続いていることもまた話題になっています。僕も日本の古本屋の更新状況を見る習慣があるのでいま物足りない日々です。早い回復を願ってます。

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