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創作のかけら:「薔薇と太陽」

☀️

私の発する光と熱を源の力として
それはそれは夢のように美しく咲く花が
3番目の星にあると
10万年ぶりに会った彗星が
興奮気味に話してくれた

それはぜひ見てみたいものだ
できることならば会ってみたいものだ
どうしたらいいだろうと考えて
ある日、良いことを思いついた
ぐっと力を込めて少し大きくなってみた

するとどうだろう
みるみるその花は
それどころか
その星の表面に息づいていたすべてが
死に絶えてしまったと
5万年ぶりに会った彗星が落胆して話すのを聞いた

私もすまなく思いしょんぼりした

彗星たちから時々話を聞いて
イマジネーションを働かせて
ただ、愛すれば良かったのに
欲を出して少しでも近づきたくて
駄目にしてしまった
灼いてしまった

だって、そもそもは
その星もその花も私から生まれたもの
かつては一緒にいたもの
そんな当たり前でいちばん大切なことを
忘れてしまっていたんだ

『適正距離を保つべし』

ごめんよ
次はもっとうまく愛すよ

🌹

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