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“バーティカルSaaS”だからこそ、事業成長に「BizDev」の力が欠かせない理由

MCデータプラスでは、建設業界の課題を解決するSaaS事業を展開しています。目指しているのは建設業界において「なくてはならない」プロダクト、つまり“Must have”なプロダクトを作ることです。

そのために欠かせないのが「Business Development(BizDev)」と呼ばれる役割。なぜMust haveなプロダクトを開発することや、バーティカルSaaSの事業成長においてBizDevが重要になるのか。担当部門長である中川さんに話を聞きました。

“Must have”なプロダクトを作る上で欠かせないこと

中川 : 最初に「建設」と一口に言っても、測量や設計、施工、検査などいくつかの領域が存在します。

MCデータプラスが提供しているプロダクトは、その中の「施工」と呼ばれる領域の「間接業務」を効率化するもの。たとえば主力サービスの「グリーンサイト」では、一定規模の建設を立ち上げる際に必要とされる“労務安全に関する管理書類”をスピーディーに作成・管理できる仕組みを通じて、現場の業務をサポートしています。

建設業界は危険を伴う仕事でもあるので、建設業法や労働安全衛生法を始めとした厳格なルールが存在しており、事業者に与える影響も大きいです。

つまり「ルールに沿った施工・施工管理」が重要になる。僕たちが実際に相対しているお客様も、定められた(今後定められる可能性がある、も含めて)法規制やルールを注視した上で、それに基づいて事業の方針やテーマを決めていきます。

僕たちはその領域を支えるプロダクトを作っているので、当然ながら業界やお客様が抱える課題や悩みに対応していくことが求められます。国のルールや、それに基づく業界のイシューを的確にキャッチアップしていくことが「この業界でMust haveなプロダクトを作る」ためには不可欠なんです。

その上で「プロダクトをマーケットにフィットさせる」という観点から業界構造をもう少し掘り下げていくと、建設業界はいわゆる「重層下請構造」になっています。

“ゼネコン”といわれる元請会社が、建築工事一式を発注者から請け負い、特定工種を請け負う専門の協力会社へと仕事を発注する。多い時にはその階層が1次~5次まで重層になるわけです。

MCデータプラスにとっての価値の提供先(=ユーザー)は、元請会社から協力会社まで全てになります。業界全体で求められる標準的なプロダクトを作っていくためには、特に元請会社を中心にお客様の声にしっかりと耳を傾けていくことが大切。中でもスーパーゼネコンと呼ばれる「売上が1兆円を超えるような会社」を“Teacher Customer”として、ドメイン知識を教えていただくことが非常に重要になります。

なぜなら、規模も種類も異なる多種多様な工事を請け負われているスーパーゼネコンは、経験値も豊富で自社以外にも目を向けて「業界で求められる・必要とされているものはなにか?」について解像度高く理解されているから。

そういった業界内でも信頼されている会社にしっかりと使っていただけるプロダクトであれば、建設業界の課題解決が一気に加速していくことにもつながります。

いわば、スーパーゼネコン含めた元請会社に採用いただき、建設現場で使っていただける状態に持っていければ、「シャンパンタワー」のように上から順々に利用が広がっていく。そしてその“最初の一転がし”を作ることこそが、MCデータプラスにおけるBizDevの重要な役割になります。

MCデータプラスでは「建設サイト・シリーズ」として、建設業界の課題を解決するプロダクトを展開しています。業界標準となるプロダクトを作るためには、「国のルール」や「業界のイシュー」を的確にキャッチアップすることが欠かせません。

MCデータプラスにおけるBizDevの役割

中川 : では具体的に当社におけるBizDevとは何をする仕事なのか。

大きなミッションは、事業・プロダクト戦略にアラインした顧客戦略を起案し、それをお客様との接点に立ちながら実行していくこと。短期的な売上目標といった定量的なゴールは設定していなくて、「事業機会を創出する」とか「事業戦略を前進」といったことを目指してマイルストーンを設計し、それを「着実に進めることができたか?」が求められます。

具体的には、一社ではなくより多くのお客様と深いリレーションを構築しながら、各社ごとのイシュー/プロブレムを把握する。そしてその背景を含めた“本質的なイシュー”を深く理解し、当社のプロダクト(提供価値)との交点を探っていくことがもっとも重要なアクションになります。

文章にしてみると簡単に見えるかもしれませんが、実現する難易度は高いです。

また、その先でプロダクトマネージャーが「『業界標準』で使ってもらえるようなプロダクトには何が必要なのか?」を追究していくアクションに伴走していくわけです。特にスーパーゼネコンの方々は業界を牽引している存在なので、イシューの大小や解決に求められる時間軸もさまざまなんですね。

そのような話の中から、こぼれ落ちてきた「イシューの欠片」に「ピン留め」できるかが、BizDevにとってはとても重要なスキルです。

それを掘り下げるかたちで議論を交わしながら、「このイシューに関しては、うちの持っているプロダクトをこのように使うと解決できるかもしれません」といったように、お客様の本質的なイシューと噛み合う提案をする。そしてモノづくりを推進していくために、社内外のあらゆるステークホルダーと連携・調整をリードすることが必要になります。

BizDevがWhyやその周辺情報・文脈を深く探って、「プロダクトマネージャー(PM)にどれだけ高い解像度で連携できるか?」が腕の見せ所ですね。そうすればPMは市場の感覚とユーザー(UX)の感覚を両方とも併せ持った上で、WhyやWhatに対する解像度を高め、プロダクトの方針と優先順位を決めていける。

つまり、業界に深く刺さる良いプロダクト戦略が描けるようになるんです。

そういう観点では、MCデータプラスにおけるBizDevはPMと同じ視座・バランス感覚を求められるかもしれません。ビジネス感覚を大前提として、UXやエンジニアリングの感覚も持ち合わせている人は特に相性が良いと考えています。

ただ、求められる感覚やセンスは近しいところも多い一方で、向き合う相手や実際の動き方は異なります。PMはどちらかと言えばUI/UXの要素の方がより強めで、実際にプロダクトを手にするユーザーさんとしっかり向き合っていく。

一方でBizDevが向き合っているのは戦略顧客なのですが、それはニアリーイコール「市場」なんですよね。顧客と向き合うことで、業界全体のイシューを見極め、解決に向けてステークホルダーを動かしていくことが必要になるので。

だからこそ、受注生産型で特定のモノを売る企業の営業職や、自社サービスを顧客に合うようにカスタマイズして提供していくソリューション営業などとも役割が異なる。

僕たちは「コト作り」と表現していますが、お客様の抱える本質的なイシューと、僕たちの価値の源泉でもあるプロダクトの掛け合わせによる“事業開発”。それがBizDevの仕事ですね。

バーティカルSaaSだからこそ、BizDevの力が欠かせない

中川 : 実は最近「バーティカルSaaSだからこそ、事業成長にはBizDevの力が欠かせない」と考えるようになりました。

それは先ほどお話ししたように、業界標準のプロダクトを作っていく上では、戦略顧客からさまざまな情報をキャッチアップする際に“深さ”が必要になるからです。その深さがないとPMの視界が開けないので、「どのようなWhyの下、どこに向かってプロダクトを提供していくのか」が曖昧な状態になってしまいがちです。

そうならないためにも、BizDevには「PMの伴走者として、PMがリードする開発チームが歩きやすい道を拓いていく役割」が求められます。

僕たちがいうところの業界標準とは、特定の会社に特化した個別のシステムではなくて、業界全体の課題解決につながるシステムのこと。それを作るには業界や顧客に対する深い理解が不可欠なので、バーティカルSaaSの場合は一層BizDevの重要性が増すと思うんです。

当社の直近の動きでいうと、新たにPMFを目指す領域でTeacher Customerとプロダクト開発を進めているのですが、BizDevとPMの連携がうまく回り始めている手ごたえを感じています。

基本的にはプロダクト開発をリードするPMが中核として前面に立つのですが、そのプロダクト開発を円滑に進めるためにビジネス的なネゴシエーションを含めてBizDevがサポートしつつ、(ユーザー<顧客の組織としての)Whyの深掘りをビジネス面で注力する。そんな役回りでチームを作っています。

少し大きな話をすると、戦略顧客の方々と一緒に新しい市場や業界の未来を作っていくような起点にもなる。だから将来的にはそういった企業さんには専任のBizDev担当者がつくような体制を作りたいんです。

それが業界標準のプロダクトを作ることにもつながりますし、MCデータプラスの事業をさらに成長させる起爆剤にもなると考えています。


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