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牧師夫人の徒然なるままに(六六一) 安食道子 「激しい反目はあっても」  (使徒15・39)

使徒たちの時代にも、仲間内で反目がありました。使徒の働きの一五章にはパウロとバルナバの間に「激しい」反目があったと書かれています。バルナバはパウロが回心後、弟子たちの仲間にも入れてもらえず恐れられていた時に、真っ先にパウロを擁護した人物です。(使徒9・26~)また、後にタルソに下っていたパウロを捜し出して、宣教の最前線アンテオケに連れて来たのもバルナバでした。(使徒11・25~)この二人が反目するとは、よほどのことだったのでしょう。
 反目の原因はマルコを伝道旅行に同伴させるかどうかにありました。慰めの人とも呼ばれたバルナバはマルコの弱さをも包み込んで一緒に連れて行こうとしますが、猪突猛進型?のパウロは同行させることを拒みました。
 どちらの考えが正しいとか間違っていたとかのケースではないのです。二人とも神の御国の前進を願っての決断だったのですから。このような場合はお互いを尊重しあって別行動を取る事が良かったのでしょう。互いに主を愛する熱心さは持ちつつも、その行動の方向が異なるという場合があります。そんなときには行動を別にすることも許されているのでしょう。
 この反目の結果が、かえって神の国の進展に用いられたことからもそれは示されています。

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