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「牧師夫人の徒然なるままに」(八四八)「あなた方がしらがになっても、わたしは背負う私は背負って救い出そう」(イザヤ46・4)

 その朝、目覚めると同時に右手指がこわばっているような気がしました。曲げようとすると痛みがありました。気のせいか少しむくんでいるような気もしました。左手指と比べてみるとその異変は明らかでした。

 嗚呼、これは脳みその病気だろうか。それともリュウマチ系統の病気だろうか。あれこれと思い悩みました。動かさなければ全く痛みもないし、動かしてみればどの角度にも簡単に回転します。痛いなあと思いながらも「まあ、いいか」といういつもの放置癖にのっとって二,三日を過ごしました。

 四日目ぐらいになって、ふとひらめきました。一本ずつ指を動かしてみると痛いのは薬指だけ、しかもその付け根の関節あたりだけだとわかりました。「そうだ。あの日ものすごく思い荷物を右手に持って、しかもエレベーターのボタンを押す時にその荷物を右手の薬指一本に引っ掛けて押したっけ」と事の経緯がよみがえってきたのです。幸いなことに日々痛みは軽減し、ほとんど消滅しました。

 歳を取ると「この傷はいつ、どこでできたのかしら?」「このアザはいつの打撲かしら?」と記憶にとどめない身体の障害が増えてきます。でも「まあいいか」と背負ってくださる主に委ねています。
 
安食道子

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