![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68332233/rectangle_large_type_2_c5a4d4e3fcb91d7af148087390ce60c4.jpeg?width=800)
Photo by
sui_sei
牧師夫人の徒然なるままに(七二八) 「ダビデは立琴を手に取って弾き」(Ⅰサム16・23)
サウル王がわざわいの霊に捕らえられる度に、道具持ちとなったダビデは立琴を弾いてその霊を解き放ちました。その当時の立琴とはどんな楽器だったのでしょうか。そして、どのようなメロディーをダビデは奏でたのでしょうか。ハープのようなまろやかな音色だったのでしょうか。聞いてみたいものです。
私がこの四十年間、ずっと飽きずに聞いているCDがあります。水野源三さんの作詞で、山口亮二さんがご自身で作曲し、歌っています。その歌声には一瞬の気張りもなく、溶け込むようなソフトな響きが聞くたびに私の心を癒してくれます。
音楽の好みは人によってさまざまで良いと思います。ただ、心を静めて平安と安堵をもたらしてくれる音楽は、えてして「自己主張」よりも「他者の思いを吸収」してくれるものではないかと、私は思います。聞いていると自分の心の不安や憤り、怒りなどがその演奏の中に吸い込まれて、癒されるとでも言いましょうか。
「よく見ろ!私はこんなに声量があって、テクニックもあって素晴らしだろう」という姿勢で歌われると聞き手の思いが跳ね返されます。歌うことが好きな私自身への戒めでもあります。おそらくダビデの立琴演奏は、苦しみや痛みを跳ね返すのではなく、吸い取る優しさに満ちていたのではないかと思うのです。
安食道子
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?