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「牧師夫人の徒然なるままに」(八四二)「ロトについて思う事」(創世記一三章~)

 アブラムの旅に甥のロトは最初から随伴しました。

 ロトはおそらくは有能な人物だったのでしょう。アブラムと対等に渡り合えるほどの家畜や牧者を従えていました。やがてはそのことで二人は分離策を取る事になるのです。

 創世記一四章には四人の侵略者の王たちに捕虜となってしまったロトをアブラムが救い出し、すべての財産も取り戻したことが記されています。恐らくロトはソドムやゴモラ地方に住みながらも、当初は遊牧民として、街の外に住んでいたのではないでしょうか。

 ここからは私の推論も入りますが、ロトは当初は自分と町の文化とを切り離していたと思います。しかし次第に町の文化や風潮に影響されるようになり、創世記一九章ではロトが既に街中に居を移していることがわかります。しかもソドムの門に座るという町の長老の特権にあずかっています。恐らく、有能なロトは次第に町の人々にも一目置かれる存在になっていたのではないでしょうか。残念なことは、同時に、ロトの信仰も、少しずつ蝕まれてしまったと思われることです。

 おそらくは、有能で期待されるべき人物であっただろうロトですが、堕落した文化への小さな慣れあいが足をすくい始めていることに無関心でした。悪への誘いは、「少しぐらい」から、始まっていくのです。  

安食道子

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