「牧師夫人の徒然なるままに」(八七二)「目の欲?」(Ⅰヨハネ2・16)
欲しい物は、人によって異なります。私は宝石やお金にはそれほどの執着はありません。けれども、自分を抑制しなければならないほどに欲の出る対象があります。サボテンや、樹木などです。じっと見つめているとついつい手を出してしまいます。とは言っても、高価なものはどちらかと言うと興味がありません。百円ショップで出されているような小品が好きなのです。しかも、いかにも手入れがゆき届いていないために今にも枯れそうになっているものを見ると「よし、私が生き返らせてあげよう」と買ってしまいます。これぞ、聖書の言う「目の欲」でしょうか。
この目の欲で購入した五センチにも満たなかったゴムの木が、今や巨木に成長し、何度も剪定を重ねた後、今では私の大切な植物友達になってくれています。
さて、去る六月のある日、犬の散歩コースにある街路樹がその葉陰に子分の幼木を芽吹かせているのを発見しました。見るたびに欲しくなる私の欲の目がとうとうピークに達し、いよいよシャベルと隠し袋を持って刈り採りに出かけました。というのも急がないと草刈り機で周辺を含め一斉に刈り取られてしまうのです。そして、私の採取決行の翌日、見事にすべての雑草や幼木が刈り取られました。間に合いました。お土産に三か所、痒い虫刺されをもらいましたが。
安食道子
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?