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牧師夫人の徒然なるままに(七〇〇)  「エステルの忍耐に学ぶ」

 エステルは、待つことで忍耐を養われたのでしょうか。次期王妃候補に挙げられて後も、丸一年間の待機を強いられました。
 やがて、エステルは王への謁見が叶いハマンとの宴会が許されます。ハマンを糾弾する絶好の機会到来でした。しかし、彼女はその機会を翌日に延期しました。この間に創造主の操り糸が粛々と働いていたのです。必要な延期の一日でした。
 地球の裏側に住む人とでも、指で番号に触れるだけで即座に通信が叶う時代です。何か月もかけて船便で届く郵便物を心待ちにするロマンが今や失われてしまいました。当然のこと待つことの忍耐など必要ありません。では、この便利?な時代に生きる私たちはどのようにして忍耐を学び育てればよいのでしょうか。
 今、子育て中の若い方々に提言したいと思います。お子様たちに挑戦させてください。苦労して繰り返し練習をしないと決して上達しないことに対してです。
 スポーツでも、音楽でも、美術でも、学問研究でも良いのです。何度も失敗して、挫折感を味わって泣き、達成の報いの喜びに笑い、その繰り返しの中で技術を身に付けていく時、必ずそこに忍耐が養われると思います。指一本でタッチパネルに触れて得られる安易な喜びの中毒にさせないためにも。

安食道子

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