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牧師夫人の徒然なるままに(七五五) 「すべての人に、すべてのものと」(Ⅰコリ9・22)  

 パウロはコリント人への手紙の中で、すべての人を救うために、すべての人と同じレベルに立とうとしていると書いています。弱い人に対しては、自分も弱い人のようになって接するようにしていると。
 創造主は私たちをユニークに造られたので、人はみな違います。自分がこの世にただ一人の個性を持った人物だと自覚できるまでには、相応の年月が必要ですが、更に、自分以外の個々人が自分と決して同じではないと認めることにも年月が必要です。
 母親とまるで一体であるかのようにべったりと寄り添っている乳幼児が、いつしか母親とは別の個体だと自覚し、友達遊びなどを通して別の個人を知り、更に相手が自分と異なった考えや態度をとっても、それを認めて尊重できるようになる。それは一言では言い表せない長く、大変な成長の過程なのです。
 この成長の過程は、人によって異なります。短期間でそれをつかみ取り成熟出来る人もいれば、「いい歳をして」と言われるまで、それがわからない人もいます。
 人は常に「自分だったらこう感じ、こう行動する」という基準で、人の行動に評価を下したがります。その域から抜け出ることのできない人を「ベイビー」と呼びます。パウロは「ベイビー」に対しても「ベイビー」のようになって接しなさいと言っています。(続)

安食道子

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