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牧師夫人の徒然なるままに(七三三)「試されることで忍耐が」 (ヤコブ1・3)

 無視しようと心に決めても、やっぱり気になります。「ながらスマホ」というやつです。犬の散歩をしながらすれ違う人のほとんどがスマホ片手に行動しています。歩きの人ばかりでなく、自転車を走らせながらという人も少なくありません。
 「ながらスマホ」をしている人はそこでどんな情報を得ているのでしょうか。その時にこそ何としても必要な情報なのでしょうか。
 人は、求めたい情報があると、結果を待つ間にあれこれと想像を膨らませることで夢を見ます。たとえそれが思わしくない結果に終わった場合でも、私は瞬時に結果を知る事よりも、時間をかけてあれこれと思い巡らしながら過ごす時を持つことを尊いと思います。
 残念ながら、今の地球上の人間は「瞬時の解決」に慣れきっています。ほとんどの人がスマホを巧みに操って、「待ったなしの知識」を獲得できるのです。
 何か月もかけて一通の船便の到着を待ちわびた時代はロマンに満ちていました。国内便でも返事を待ち続けた一週間は、あれこれ心を騒がせつつも、忍耐して待つ事を教えられる貴重な時間でした。
 瞬時に得られる結果は、浅い知識の蓄積に終わります。心中、あれこれと思い悩み試される時間こそが、忍耐を育む大切な訓練なのではないでしょうか。

安食道子

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