ささやき
遠くで歩いていると
知らない人みたい
君の人生に
私はいなかったんじゃないかって
小さくなる背中に
泣きそうになる
無性に
君の弱点になりたいって思った
私が世界の汚いもの全部受け止めたい
それくらい 焦がれているから
傍にいさせてほしい
私の声が聞こえる場所に
いてほしい
顔を覗くと目があって
手を伸ばせば握り返して
君も同じように思ってる?
私のこと考えてる?
今この瞬間も
今でも思い出す
秋の日差しに照らされた
君の横顔を
輝く黒目がちな瞳を
写真の中で無邪気に笑う
もうどこにもいない
君へ
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