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編集者からみた、原稿執筆の一工夫:1-5.医学用語・専門用語はしっかりと表記する

編集作業をしてると、医学用語・専門用語の変更をお願いすることが多々あります。
主に、以下のようなものです。

▲以前の用語を使用している場合

・(以前)気管内挿管、(今)気管挿管
・(以前)心臓マッサージ、(今)胸骨圧迫。昔の名残で「心臓マッサージ」「心マ」と書かれているものは「胸骨圧迫」「胸骨圧迫(心臓マッサージ)」などに変更。一般向けの解説では「心臓マッサージ」の方が周知されているので「心臓マッサージ」のママにするなど、対象者にあわせて使い分けをした方がよい

▲正式な用語があるが他によく使用されている用語がある場合

・造影増強効果/増強造影効果 (「造影増強」効果を用いる)
・褥瘡/褥創 (日本褥瘡学会では、「褥瘡」を用いている)
・X線/エックス線/レントゲン (表記はX線にすることが多い。レントゲンは使用しない)

▲用語の使い分け

・エコーと超音波。混在している場合、どちらかに統一だが、エコーの方が多い
・「上部消化器内視鏡」「下部消化器内視鏡」は一般向けには「胃カメラ」「大腸カメラ」にする、など対象にあわせた表記にする
・「親指、母指、拇指」「拇指、拇趾」などの統一、使い分け。1つの原稿に、「母指、拇指、第一指」「人差し指、示指、第二指」などが混在することもあるが、内容にあわせて表記の統一をお願いしている。専門向けは「母指、示指」、一般向けは「親指、人差し指」など。解剖的に、手なのか足なのか明確にしたい場合は、「拇指、拇趾」も明確にする

専門向けの内容は、教科書ではなくも「この文章を読んで専門家や学生が勉強するので、教科書のつもりで用語はしっかり記載する」という気持ちで正確な情報を伝えるような編集を行うことが必要だと思っています。
一般向けの場合は、医学的に正確な用語よりも親しみやすい用語の方がよいと思います。

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